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譲合
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暫く彷徨っていると開けた所に出たから野宿する場所はそこに決まった。
「ここにいろ」と俺を木の傍に降ろして、ルカがどこかに行く。
しばらく待っていると、ガサガサと茂みをかき分けて戻って来た。
「すぐ近くに池があった。水浴びでもしてくるといい」
「ルカは」
「私はここで見張っている」
慣れた手つきでルカがあっという間に火を起こす。
ふーん。ルカにとって野宿は珍しくないみたいだね。手慣れてる感。
「俺よりルカが先に入れば」
ルカ汗かいてたし。(俺を背負って登山したからなんだけど)
こっちに来てから分かった事だけど、魔族はあんまりお風呂に入らないらしい。
人間と寿命が違うからか、体臭が薄くてよっぽど汚れない限り必要ないんだって。
「いや、用心しない訳にはいかない」
「大丈夫でしょ」
この辺りはモンスター出ないんでしょ?
「しかし…」
「しかし何」
何でそんなに渋るの。あ、じゃあこうしよう。面倒臭いし。
「もう一緒に入れば良いんじゃないの」
「それは駄目だ」
即答?
「前に一回一緒に入ったのに?」
「あれは…、……あれだ」
どれ。
「兎に角、私は見張りをしているからアメが先に入ってくれ。私はその後に入るから」
納得いかなかったけど、珍しくルカが折れなかったから先に水浴びに向かった。
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