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無言
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「あー…体が痛てぇ」
なんてぶつくさ文句が聞こえてきて、薄っすら目を開けたらそこはルカの背中だった。
すっかり陽は昇ってて、どうやら俺が寝てる間に出発したみたい。
ルカの背中が気持ち良くて、もう少し寝ようと目を閉じる。
「大丈夫か」
「大丈夫じゃねえよ。縛ったまま寝かされたこっちの身にもなってみろ。寝にくいは体が痛いはで全っ然眠れなかったてのに、そっちはグースカ寝やがって」
ああ。ルカ昨日は結局…何だっけ…赤毛の人の縄解かなかったんだ。
あれから直ぐ寝たから知らなかった。
「そういえばアンタ名前は?」
「ルカだ」
「ルカね。ちょっと聞きたいんだけど」
「何だ」
「ルカとアメくんってどういう関係なの?見た感じ兄弟って訳じゃなさそうだけど」
何か嫌な予感がする。
「パートナーだ」
この野郎。耳クソ勇者は健在かっ。
「ふーん…パートナーねぇ」
「何故そんな事を聞く」
「いや?深い理由はないよ。ただ、えらくアメくんに甘いなと思ってね」
「……、私は甘いのか?」
「じゃないとよく寝てるからって起こさずに背負って山道歩こうなんて思わないでしょ。荷物もあんのに」
「………」
その言葉にルカの「そうなのか…」って小さい呟きが聞こえた。
「テオは、昨日私に魔王討伐に向かわなくて良いのかと聞いたな」
あ、そうだ。テオだ。赤毛の人の名前。思い出した。
「おう」
「訳あって経緯は言えないが、私とこの子は今とても大切な旅をしている」
「それは魔王を倒しに行くより大事な事なのか?」
「ああ。何よりも大事な事だ」
まぁ、そうだね。
その魔王はここにいるから城に行っても意味ないし、俺との約束を果たさないとルカの提案は却下されちゃうもんね。
人間と魔族の今後が係ってるんだから、そりゃ何よりも大事だよね。
知ってる。
でも何でかな。
ほんとは起きてたけど
それっきり二人の会話もなかったから、街につくまで俺も何も言わなかった。
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