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通りは前後左右、建物は上から下まで。武具や装飾品関係の店が軒並み連ねて建っている。勿論店主従業員は小さい人たち。
『工業都市』と言われているだけあって国益の7割を占めているらしい。
「どういうのが欲しいの」
「そうだな…丈夫でシンプルであれば特にこれといって拘(こだわ)りはない」
「ふーん。そういえば今使ってる奴っていつ買ったの」
「確か、アメに出会う少し前だったから…三ヶ月程前だな」
「三ヶ月?あんた三ヶ月で駄目にしちまったのか?」
店頭に並ぶ多種多様な武器を見てたらいきなり店の人が割り込んできた。
「ちょいと見せてみな。あんたの得物」
全体的に焦げ茶色のドワーフのおじさん(ていうか皆だいだいおじさんフェイスなんだけど)が、ルカの剣を刃先から根元までまじまじと見る。
「うーん…こりゃひでぇな。アティロンの刀身がひん曲がってやがる。相当な馬鹿力でも加えねえ限りこうはならねえぞ。あんたどんな扱い方したんだよ」
「どんなと言われも私は普通に使っているつもりなのだが…」
「なるほどねぇ」
何か考え込むようにおじさんが自分のもじゃもじゃの顎髭(あごひげ)を数回撫でる。
あ、ちなみにアティロンっていうのは剣とかに使われてる素材の事なんだって。こっそりルカに聞いたら教えてくれた。
「なら、ここにあるもんはちょっとアンタには合わねえかもしれねえな」
「そうか…」
「おいおいそんなしょげんなって。ここにあるもんはって言っただろ」
「別の所にならルカに合う物があるって事?」
「おう。あるぜ」
「こっちだ」と得意げに笑うおじさんの後に続いて、俺とルカは顔を見合わせて着いていった。
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