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接近戦。
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数週間後。
「おーし、組織の居場所絞れたぞ。」
「ナーイス小見やん!」
猿杙と小見が笑顔でハイタッチをする。
「ここのところ、マフィアたちの動きが大人しくなってたのに、また動き始めましたね…」
尾長が首をかしげて呟き、それに木葉が答える。
「ま、向こうも向こうなりに色々作戦練ってんだろうな。無鉄砲になんでもかんでもやらかしてくる馬鹿じゃねーと思うし。」
「それにしては期間が長い気が…そういえば、マフィアたちが結託し始めたみたいな情報は聞きました! 信憑性が薄いので何とも言えませんが…」
「マジか…でもこっちからはなにか分かっても動けないからなぁ…そんときゃそんときだ。…んで、いつ殲滅に行く?」
「タイミング的には明後日くらいがベストだと思うよー。」
猿杙が振り向いて言った。
「では、パパッと作戦考えましょうか。」
赤葦はそう言うとホワイトボードを引いて持ってきた。
いつも通りの戦闘服を身にまとい、アジトを出る前に作戦の再確認をする。
「じゃあ最後にもう一度確認な!今回のマフィア組織のアジトはちょっとデカい。
だから今回は外から攻撃するのは赤葦と木葉の二人!
赤葦は北西に、木葉は南東に配置!二人は事前に小見やんたちに言われてた場所に行く!
んでサルと小見やんは西と南の建物の屋上から、いつも通りPCで監視しつつ、発見したらインカムで伝える!
それから俺と鷲尾と尾長はアジトに突入!オッケーだな!?」
「はい、オッケーです。」
「よしみんな、今回も気合入れて行くぞ!」
「はい!」
「っしゃ!」
いつものように木葉が鼓舞し全員が返事をする。
今までは自分に対する暗示のような言葉だったが、今は少し違っていた。
「木葉さん…」
赤葦がインカムを通して木葉にだけ呼びかける。
「え、赤葦?なにどしたの。」
「今回、初めての共同作業ですね。なんか嬉しいです。」
「たしかにそうだな。随分殺伐とした共同作業だけど。」
木葉は少し笑いながら言う。
「俺ちゃんとできるかなー久しぶりにスコープ覗いて撃つから不安~。」
「木葉さんなら大丈夫ですよ。」
「だといいけどなぁ。にしても赤葦、お前ホンット長距離射撃上手いよな。」
「木葉さんの教えてくれたからですよ。」
「今じゃ教えた俺よりも上手くなりやがって~!まあ俺としては嬉しいけどな!」
「ありがとうございます。でも、俺が特化してるのってコレだけですから…全部総合的に上手い木葉さんはすごいですよ。」
「おーありがと。けど、やっぱり俺はなにかに特化してる方がカッコいいと思うわー」
雑談を交わしていると、木兎たちがアジトへ突入した。
「赤葦、木兎たち入った!用意するぞ!」
「はい!」
木葉は銃口を窓枠に置いて、赤葦は近くの建物の屋上に姿を隠しながら、スナイパーライフルを構えた。
「木葉!真っすぐそっちに一人!」
「オッケー!」
木葉は照準を敵の足に合わせて引き金を引く。
「赤葦!東西にそれぞれ一人ずつ散らばった!」
「了解です!」
赤葦にとっては何人散らばって逃げようが関係ない。
銃弾一発で終わらせるため、十秒も要さないのだ。
今回はハッカー組からの指示が予想よりも多く、銃弾をかなり消費していた
「今回多くないか!?弾切れしそうなんだけど!」
「人数も多い、アジトも少し大きい、ですけどここまでとは…」
一応念のため弾薬を多めに持ってきていたが残りもわずかとなっていた。そのとき。
「しまっ、一人外した!」
「木葉さん!?」
ここにきて木葉が銃弾を外すという痛恨のミスを犯す。しかしこのまま取り逃がすということはしない。
「クソ、ちょっと行ってくる!」
木葉は予備で持ってきていたハンドガンとナイフをレッグホルスターに装着した。
木葉がいるのはビルの三階。そこから階段を使って降りるという無駄なことはしない。
身につけたフリーランニングで窓から飛び降りるのだ。
取り逃がした敵を地面に着いた瞬間ハンドガンで撃つ。
すぐに戻ろうと後ろを向くと、敵が一人出てきていた。
敵も木葉がいるとは露知らず、咄嗟の判断からポケットからグレネードを出した。
こいつ、自爆する気か!?と木葉は一瞬思った。が、違った。
敵が安全ピンを引き抜いてレバーを離した途端、辺りが閃光に包まれた。そう、敵が使ったのは閃光弾だった。
木葉は少し防御に遅れてから腕で目を覆う。
そのコンマ数秒後、銃声と共に頬にピリッとした痛みを感じた。
触ってみると血が流れている。
きっと敵の撃った弾が掠ったのだろう。
木葉はしゃがみ、敵の太腿を狙い撃つ。
閃光弾の影響がまだ残っており、視界に大きく影が残ってよく見えなかったがなんとか当たった。
ふう、と一息ついた瞬間。
「殲滅終わり~~!内部はもういないぞ!いま鷲尾が公安に連絡してる!」
インカムから木兎の声がキーンと響いた。
あいかわらずの大声で耳が痛いほどだ。
「じゃあみんな、集合場所に集まってね!」
猿杙の声を最後にインカムからの通信が途絶え、木葉は集合場所へ向かった。
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