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噂話は駆ける。
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木兎と赤葦は月一の会議を終え、帰路に着いていた。
「あ~疲れた~腹減った~!!」
「でも木兎さん、ちょっと寝てましたよね…?」
「えっ!?…ハイ…。スミマセン…。」
「はあ…しっかりしてくださいよ…。」
口ではこう言っているが、自分も自分で会議の時に早く終わって木葉さんに会いたいな、なんて考えているからあまり木兎さんのことを責められないのだが。
そんな話をし、アジトの最寄り駅に着くと40代くらいの女性たちの会話が聞こえた。
「そういえば、今日この近くでマフィア組織に襲撃された反マフィア組織があったみたいなのよ。」
「ええっ、怖いわねぇ。格好つけてあんなことするから…それに近くに反マフィア組織がいるなんて私たちまで狙われるかもしれないじゃない…」
「本当よね。大人しくしておけばいいのに…もっと遠くに行ってくれないかしら。」
それを聞いた瞬間、心臓が早鐘を打ち出した。
赤葦は勢いよく木兎の方を向き名前を呼ぶ。
「木兎さん!今の人たちの、聞きました!?」
「んあ?なにが?」
「ああっもう!…あの人たちが、この近くでマフィア組織に襲撃された反マフィア組織があったって…言ってました。」
木兎の目は大きく見開かれ、その目は焦燥した赤葦を映した。
「それってつまり…!」
「走りましょう。早く確かめないと。」
二人は全速力で駆けだした。周りの目も気にせずに。
俺のいない間に、なにが起きた?もしかしたら他の反マフィア組織かもしれない。いやまずそれ自体が誤情報という可能性もある。信じたくない。
しかし、冷や汗が止まらない。不安で顔が歪みそうになる。
どうかみんな、木葉さん、無事でいて。お願い。
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