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宿命3
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僕は…間違った事はしていない。
ただ王様と一緒に過ごせれば、何だって良い。
牢屋は密室で窓もなく、息苦しい。聞こえるのは啜り泣く声や痛みで苦しむ声。
最初は気が狂いそうになって、怖くて怖くて寝られなかった。
けど、痛みで気絶してしまえばもう関係がなかった。
出してくれ…とは、もう望まなかった。
ただ、王様に一目だけ会いたい。
愛しています、
そう伝えたい。
「………………、」
あぁ、でも出来ればこの傷だらけの体を見られたくないのもまた事実。
もうほとんど左目は見えていない。右腕は腐りかけている。
暖かい腕の中で眠る事も、一緒に湯に浸かる事も出来ない。
何故なら僕は、罪人として広まってしまったから。
この件で他国からもきっと、狙われる。それは今まで王様と過ごしてきた経験でわかっていた。
だから、まだ僕は諦めない。
それに、正妃様にも何か理由がきっとあったはずだから。
優しく微笑んでくれた事、一緒に花の冠を作った事、怪我をした小鳥を助けた事。
僕には正妃様に何か事情があるに違いないと思った。
だから、最期まで僕はあきらめない。
この嫌な予感…。
神様、お願いです。
どうか、どうか正妃様と王様に試練を与えないで下さい。
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