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宿命7
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正妃様から告げられた真実は残酷であった。
正妃様は王の兄に無理矢理襲われた。
彼は王を憎んでいた。本来ならば彼が王になる筈だったが、前王様は弟……現在の王を選んだ。
お前には、王になる器は無い……と。
そして、彼は正妃様に好意をもっていた。だが、正妃様は王に好意を持ち、王はミシェル様に好意を持っていた。
彼は正妃様が自分を見ずに、平民出身のミシェル様に好意を寄せた王を恨んだ。
何故正妃様を愛さないのかと。
正妃様に彼は言った。
ミシェル様を殺さなければ、王を殺す
正妃様は悩んだ。王を愛しているが、ミシェル様は友人でそんな事が出来るはずがないと。
それに、悪魔を召喚した彼は正妃様に憑依させた。
ミシェル様を殺せと。
だが、それは悪魔の罠であった。悪魔は人間の不幸を主食として国事乗っ取ろうと正妃様に憑依したのだ。
正妃様は気づくとそこは自分の部屋で眠っていたと話した。
悪魔は、ミシェル様が持っていた短刀で憑依した正妃様の体を刺した。
実はその短刀が、ミシェル様のために王がプレゼントした聖なる短刀であった。
それを知らずに自らを刺した悪魔は死んだ。
彼は悪魔との契約により、片目を失っていた。代償を払ったにも関わらず、悪魔が死んだ事に彼は激怒した。
そしてこう、思う。
全ては王のせいだ、アイツを殺してしまえばいいのだと。
そして、ミシェル様が死んだ
ただ、愛されていただけであった心優しいミシェル様だけが亡くなった。
民にもその話は広まり、他国にも悲報が届いた。
俺がこの国の兵士となる前から、ミシェル様は他国の上流貴族や王、そして民に愛されていたらしい。
籠姫であるのにも関わらず、自ら泥だらけになってまで民と関わり、上流貴族に対しても王に対しても平等であったと聞いた。
花のような可愛らしい笑顔で助けられたという人は多数いた。
ミシェル様が亡くなったと聞き付けた他国から何人も訪れた。
「ミシェル様……」
「ミシェル…」
悲しい悲しいこの話は、いつの時代にも語り継がれた。
end
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