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Chantilly Flower* 01
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茶色いボタンがついた白のコックコート。
腰から下のシルエットが綺麗に見える黒ズボン。
足下まであるシックな黒のサロンを腰に巻いて、
次はこげ茶の帽子とコックタイを身に付ける。
帽子とタイには金字で小さくフランス語で店名が。
肩下までの髪は後ろでしっかり1つにまとめる。
学校の制服よりもずっとずうーっとお気に入りの制服に着替えれば
私はあまい香りがふわりと漂う厨房をすり抜け店頭に顔を出す。
「おはよーございますっ」
「千花ちゃん、おかえりなさい。今日もよろしくね」
若い店長の優しい声が返ってきた。
彼はここ、街中にある個人経営のケーキ屋さん『Ma Priére』の店長の都築 綾人さんだ。
ショーケースに並べられた商品たちと並んで映える、とても整った美しい顔立ちと、もの腰やわらかな雰囲気。
肩につくかつかないかまであるゆるいウエーブのかかった栗色の髪を1つに結んで真っ白のシャツに、私と同じサロンを巻いたおしゃれな格好。
彼は接客中だったみたいで「あら千花ちゃん、こんにちわ」と一緒にいた常連の奥さんからも挨拶をされた。
私、橘 千花はここでアルバイトをしている高校二年生。
将来はパティシエになる事が夢で、今はこのケーキ屋さん、Ma Priéreでバイトをしながら修行をさせて貰ってる。
綾人さんは私のバイトの上司兼パティシエのお師匠さまだ。
「千花ちゃん、店頭チェック終わったらシュークリーム上がってるから仕上げと補充よろしくね」
「はーい!」
常連さんにもあいさつをして早速仕事に取り掛かる。
Ma Priéreは創業2年目のまだまだ出来立てのケーキ屋さん。
立ち上げたのはもちろん店長の綾人さん。
本場フランスで修行を積んだという確かな味と、安心のコスト、そしてこの若くて美人な店長のパワーで2年目の小さなお店ながらに中々の繁盛店だ。
フランス帰りの腕利きのパテシエ、しかもすごく若くて美人!そんな男性が1人でやってるなんてなったら、それはそれは人気になるわよね。
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