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時雨side
俺は、咲に真白のところまで連れていってもらった。
咲は俺を家に送ろうとしていたが、俺は結局本家に送るように言った。
真白のいない、あの家は寂しいからだ。
俺は、こんなに弱い人間だったか………
早く、あの笑顔をみたい。
暫くすると、車が止まった。
「若、つきましたよ。」
「ありがとう。
咲、お前今日は、帰れ。
明日もくるな。
明後日からこい。」
「えっ、でも……」
「いいな?」
俺は、少し威圧感を出して言った。
すると咲は、しぶしぶはい、っと言って、帰っていった。
そのあと俺は、本家にある自分の部屋のベットに寝転がった。
「………真白。」
あの医者は、真白が幸せだと思うことをすれば良いと言っていたが、真白が幸せだと思うことってなんなんだよ。
何をすればいいんだよ。
わかんねぇ。
俺が、真白の背負ってるもん半分でも背負えたらいいのに………
俺が、ため息をつくと急にドアが開いて、親父が入ってきた。
「時雨、ため息をつくと幸せが逃げるぞ。」
「お、親父。」
俺は、ベットから立ち上がろうとしたが、親父に止められた。
「時雨、そのままでいい。
今は、組長と若頭じゃなくて、親子で話そじゃないか。」
そう言うと、親父は俺のベットの横にある椅子に座った。
「なぁ、時雨。
お前今、何を悩んでるんだ。
父ちゃんに聞かせてくれないか?」
「………父ちゃん。クスッ」
「あっ、笑ったな。
別に、いいじゃろ。
お前の父ちゃんには、かわりないんだから。」
「そうだな、悪い親父。
悩みごとか………
俺は、その。
真白に何をしたら、幸せに思ってくれるか分からない。」
「ほう。
時雨は、真白くんの事を愛しているか?
心のそこから。」
「あたりまえだろ。」
「なら、自分の事を信じろ。
何をしたら、真白くんが幸せだと思うか、お前もう分かってるんじゃないのか?」
「は?
分かってるわけないじゃん。
分からないから、悩んでるんだよ。」
何言ってるんだよ、この親父。
年取り過ぎて、頭がおかしくなったのか。
親父が、悩んでることを話せって言うから俺が、話したのに意味ないじゃねぇか。
俺が、心の中で文句を言っていると親父が言った。
「なぁ、時雨。
真白くんと一緒にいるとき、真白くんは何をしたら喜んでたんだ?」
「……。
頭を撫でてやったり、抱き締めてやったりしたら、表情が和らいだ。」
「なぁ、時雨。
やっぱり、分かってるじゃないか。」
「何が………
まさか、こんな簡単な事でいいのか……」
「簡単な事ではないぞ。
時雨にしか、出来んことだらかな。
さて、時雨も答えが出たことだしわしはもう帰ろうかのう。」
そう言うと、親父は立ち上がり部屋を出ようとして立ち止まった。
「時雨、最後に一つ。
幸せに恵まれるだけなら、知恵はいらないんじゃ。
だかな、その幸せを活かすには、知恵がいる。
よう、覚えておけよ。
じゃあな。」
今度こそ親父は部屋を出ていった。
最後の言葉どういう意味だ?
幸せに恵まれるだけなら、知恵はいらなくて、幸せを活かすには、知恵がいる。
真白の幸せを、活かすも殺すも俺次第ってことか?
もっと、考えて動かねぇとな。
俺は、親父の言葉を胸に閉まって眠りについた。
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