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2ー12
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咲side
俺は、部屋を出るとため息をついた。
体が思った以上にだるい。
最近仕事が多くて、休めてない。
その上また、仕事を頼まれた。
真白くんの事……
若は、要領がいいから仕事なんてすぐに終わらすけど、俺は中々終わらない。
「どうしようかな〜」
俺が呟くと、後ろから声が聞こえた。
「何が、どうするんだ?」
「す、鈴木。
別に、なんでもねぇよ。」
「そうかぁ?
ていうか、また山本寝てないだろ。
お前って、俺と会う度に顔色が悪くなるよな。
仕事手伝うぜ。」
「大きなお世話だ。
俺は、幹部室に戻る。」
俺は、そう言うと幹部室まで行って中に入り、自分の椅子に座った。
そして、すぐに色んな書類に目を通していく。
「なぁ、山本お前気を張りすぎ。
少し、肩の力抜けよ。」
俺は、鈴木の言葉を無視した。
うるさい。
俺は、鈴木に凄く言いたい。
肩の力なら、俺は凄く抜きたいに決まってる。
でも、無理だ。
俺は、昔から何でもできたがそれは、全部平均しか出来ない。
だから、努力しないと。
そうじゃないと、俺には存在価値がない。
もう、捨てられるのはごめんだ。
俺は、絶対に努力を惜しまない。
俺は、鈴木に対する苛立ちを抑えて仕事に意識を集中させた。
「やまもと〜
本当に体壊すぞ。
俺が、手伝ってやるから少し休めって。
少し、くらい休んでも誰も何にも言わねぇぞ。」
うるさい。
うるさいんだよ。
「山本、マジでお前休めって。
そんなんじゃ、いざと言う時に何も出来なくなるぞ。
だから……」
「うるさいっ!!!!」
俺は、鈴木に怒鳴った。
鈴木の顔は凄く真剣だ。
「何が分かるんだよ!!
俺は、努力しねぇと置いてかれるんだよ!!!!
お前らみたいに、要領よくねぇんだよ。
ここの幹部は何でも完璧にできる。
でも、俺は努力しねぇと完璧に出来ない。
俺は、捨てられるかもしれねぇのに。
俺は、俺は……」
俺は、いつの間にか鈴木に抱き締められていた。
そして、あやすように背中をさすられている。
「山本、お前は頑張ってるよ。
頑張りすぎなぐらい。
でも、少し休め。
さっきもいったが、いざと言う時本当に何にも出来なくなるから。
お前は、若によく色んな事を頼まれてる。
そんな、お前が捨てられるわけないだろ。
もし、山本が昔の事で何かあるんだったら、俺に話してみな。
少しぐらいなら、軽くなるはずだから。
咲、今は寝ろ。
大丈夫だから。」
俺は、眠気に逆らえず意識を飛ばした。
鈴木の腕の中は凄く落ち着いて、理由もない安心感があった。
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