アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2ー36
-
自分が何かの棒で頭を殴られた事を理解するのに、時間はかからなかった。
俺は、殴られた衝撃で膝を地面に着く。
俺は、後ろを振り返ると3人程手に物騒な物を持って立っていた。
ナイフと金属バットが2つ。
状況は最悪だ。
美由紀も腰が抜けて立てそうにない。
それに、さっきからかつぎあげている勇貴が息はあるが全く目を開けようとしなかった。
「おい、美由紀。
勇貴の事、見ててくれ。」
俺は、勇貴の事を美由紀に預けた。
あちこちから、血が出ていて倒れそうなのを我慢して俺は、立ち上がった。
3人の男達は俺を睨みつけて構えている。
「如月、今度こそ追い詰めたぞ。
もう、お前も終わりだ。」
男がそう言うと、美由紀の叫び声が聞こえた。
「いやゃゃぁぁぁぁぁ!
勇貴、勇貴!
起きてよ!
目を覚ましてよっ!
ねぇ、お願いだから!
私のたった一人の家族なのにっ!
お願いだから、死なないで!!!!」
俺は、目の前の男を睨みつけると男は嘲笑っていた。
「あ〜あ。
あの、ガキ死んじゃたんだ。
そりゃ、あんだけ殴ったり蹴ったりすれば当然か。
如月が、普通の奴ならこんな目に会わずに済んだのに。
可哀想なガキだな。
今からお前も、あの世へ送ってやるよ。
その後に、あの女を犯しまくってやる。」
俺は、その言葉を聞くと何かが切れた音がした。
俺は、目の前の男に歩いて近ずき思いっきり顔面を殴った。
横にいた2人は、1人は回し蹴りを食らわして、もう1人は壁に顔面をめり込ます勢いでぶつける。
自分のお腹に何か痛みを感じるが、そんなのお構い無しに美由紀の側に駆け寄った。
「美由紀……」
俺が名前を呼ぶと、美由紀は顔を俺の方に向けた。
顔は涙でぐちゃ、ぐちゃなっていて、表情は凄く悲痛だ。
「貴方のせいよ…………
なんで、私のたった一人の家族を奪ったのよっ!
たった一人の、家族だったのに…………
貴方と付き合わなかったらよかった……」
そう言うと、美由紀は俺を押し倒して上に跨り俺の顔を何発か殴った。
俺は、何も言わず抵抗もせず一発、一発の重みを感じる。
美由紀は、悲しさで押しつぶされそうな顔をしていた。
「ねぇ、どうしてよ時雨。
私が何をしたっていうのよ。
貴方なんて、大嫌い。」
俺は、美由紀のその言葉を最後に聞くと意識が遠のいていった。
かすかにすすり泣く美由紀の声が聞こえる。
「私を1人にしないで…………」
俺の意識は、そこで途切れる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
156 / 268