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2ー38
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真白side
「…………真白…………真白。」
「っ…………時雨さん?」
僕は、時雨さんに呼ばれた気がして目が覚めた。
呼ばれるわけないのに。
時計を見ると、まだ朝の4時だ。
今日は、時雨さんに会う日。
やっと、会える。
でも、少し怖い。
だって、今の時雨さんは僕の事を忘れているから。
昨日、隼さんに教えてもらった時はパニックになってしまった。
雅さんが、落ち着くまでずっと背中を摩ってくれた。
昨日は3人に迷惑かけちゃったな。
時雨さんがいない間は、隼さん、北島さん、雅さんが僕の面倒を見てくれている。
この、三日間3人に迷惑をかけっぱなしだ。
できるだけ、迷惑をかけないようにしたけど、やっぱり3人には迷惑をかけている。
ご飯の時は、僕が食べやすいような物を作ってくれる。
でも、僕は結局時雨さんがいないと二口程しか食べられない。
だから、隼さんが点滴を打ってくれたりする。
それに、寝る時は僕が寝れないのを知ってくれているから、体があったまる飲み物を作ってくれる。
そのお陰で、時雨さんがいなくても30分は眠れるようになった。
それ以上は、いつも悪夢を見たりして中々眠れない。
本当に眠れない時は、隼さんが僕にくれた本を読む。
そうすると、気持ちが落ち着いて睡魔はやってくる。
ねるわけじゃないけど……
そして、お風呂の時。
お風呂の時は、どうしても自分の傷で嫌な事を思い出す。
だからと言って、誰かと入るわけにも行かないから、極力鏡を見ずに入った。
僕がこの三日間の行動を振り返っていると、ノックの音と声がした。
「真白くん、起きてるかしら?」
僕は、声が雅さんだと分かるとすぐに返事を返した。
「あっ、はい。
起きてます。」
「入っていい?」
「どうぞ。」
僕が言うと、雅さんは部屋に入り、ベットに腰を降ろした。
「今日は、眠れた?」
「はい。
眠れましたよ。」
「そう、良かった。
無理は、しないでね。
真白くんは、今日若と会って大丈夫?」
やっぱり、雅さんは昨日の僕を見て考えてくれたんだ。
優しい人。
僕は、雅さんに安心して貰えるように少しだけ微笑んで言う。
「大丈夫です。
昨日は、取り乱してしまいましたが、今日は気持ちも落ち着いていますし、何よりやっぱり僕は時雨さんに会いたいので………。」
「そう。
真白くんは、若が本当に好きよね。」
「えっ、あっ…………」
僕は、雅さんの言葉に顔が熱くなってしまった。
雅さんの笑い声が聞こえる。
「クスクス、可愛い。
真白くん、大丈夫よ。
きっと若は、真白くんの事を思い出すわ。
だって真白くんは、凄く若の事を思ってるんだもの。」
雅さんの言葉に今度は、目尻が熱くなる。
雅さんは、僕を励ましてくれてる。
迷惑しか、かけたことないのに…………
「……ありがとうございます。雅さん。」
僕が言うと、雅さんは僕の頭を撫でた。
その後、僕と雅さんは暫く喋っていた。
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