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2ー43
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俺が真白を抱き締めると真白は、俺に顔を押し付けてきた。
普通なら嫌だと思うが俺は、何故だかその行為は少しも嫌でわない。
むしろ何だか、心地いい。
俺は、ちらりと真白を見ると真白は、静かに泣いている。
俺は、今初めて何で記憶を失ってしまったんだ、失いたく無かったと思った。
真白の頭を撫でて言った。
「真白。
ごめんな、俺。
真白の記憶なくて。
正直言って記憶を取り戻せるかは、わかんねぇ。
でも、記憶が無い俺にも一つ分かることがあるんだよ。
それは、今俺の腕手の中にいる奴は、絶対に手放さないって事。
手放しちゃいけないって事は分かるんだ。
なぁ、真白。
真白にばっかり、無理させて悪いな。
真白は、俺に伝えたい事ないか?
何でもいい。
本当に何でもいいから俺に伝えたい事は、包み隠さず俺に全部言ってくれ。」
「僕、時雨さんに伝えたい事あります。
でも、言ったら絶対に僕の事を嫌いになります。」
「ならないよ、真白。
俺は、真白の事絶対に嫌いにならない。」
俺が言うと真白は、黙ってしまった。
俺は、真白の事を心から愛してるんだと思う。
今の俺は、真白に好きだと言う気持ちはあまり起こらないが俺の本能は、真白を手放してわならない。
守ってやらないといけないと言っている。
今の俺にとってこんなのは、初めてだ。
美由紀の時には、なかった感情。
きっと、これが本当の好きってことなんだろう。
確実に今の俺でも、真白と一緒にいる時間をもう少し増やせば好きになれる。
記憶が無くても、真白を愛してやれる。
俺が色々考えていると、真白の小さな声が聞こえた。
「時雨さん。
僕が何を言っても、本当に嫌わないんですよね。」
「あぁ、あたりまえだ。」
「じゃあ、言います。
きっと、凄く我儘な事を言います。
本当に我儘で、きっと自分勝手な意見です。」
「それでも、いいよ真白。
真白、俺に教えてくれ。
真白は、俺に何を伝えたいんだ?」
俺がもう一度真白に聞くと、真白は細い腕を俺の背中に回してから言った。
少しだけ、真白が震えてるような気がする。
だから俺は、真白の背中をさすりほんの少しだけ抱き締める力を強めて、真白の言葉を待った。
「僕の、僕のたった一つの願いは時雨さんと一緒にいる事です。
記憶を失う前の時雨さんにも言いました。
なのに、何で時雨さんは、僕から、離れていこうとするんですか?
約束したのに……」
そう言う真白の顔は、とても悲しそうだった。
俺は、自分で聞いておきながらなんて返事をすればいいのか分からない。
俺は、何をいったら真白が傷つかないか考えてから言葉を発した。
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