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「えっ、」
「だから俺は、真白がいいんだって。」
時雨さんは、僕がいい。
僕は、嬉しくて目から涙が出てきた。
時雨さんは、僕の背中を撫でながら僕の方を見ながら言う。
「あまり泣くな、目が腫れる。
そういえば、昔にもこんな事があった気がする。
いや、気のせいかな……」
「っ!
時雨さん、少し思い出したんですか?」
僕は、時雨さんに聞く。
昔では、ないかもしれないけど僕と時雨さんが出会って間もない時も泣いてている僕に時雨さんは、目が腫れるから泣くなって言ってくれた。
やっぱり時雨さんは、時雨さんだ。
僕が大好きだと思った、僕が一緒にいたいと思った時雨さんなんだ。
でも、やっぱり一緒にいていいのか分からない。
何か僕って、凄くめんどいくさい人だ。
僕が色んなことを考えていると、時雨さんが言った。
「悪い記憶は、まだ少しも戻っていない。
でも、真白の反応からするに昔もこういう事があったんだな。
俺、記憶早く思い出したいな……」
僕は、聞き逃さなかった。
時雨さんが、最後にボソッと言った一言を。
僕の考えは、その一言で凄く変わった。
悩んでるのは、僕だけじゃない。
時雨さんも悩んでるんだ。
それに、時雨さんも記憶を戻したいって思ってる。
もう我儘を言うのは、やめよう。
僕だけが不安なわけじゃない。
時雨さんだって、不安を感じてるだから。
そう言えば、時雨さんにもう一つ伝えたい事があるんだ。
言わないと。
「あの、時雨さん。」
「ん?どうした?」
「僕、もう一つ伝えたい事があるんです。
いいですか?」
「大丈夫だ、言ってくれ。」
僕は、一度深呼吸をして時雨さんの目を見て言った。
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