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2ー61
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時雨さんは、すぐに入ってくれと言った。
キスしたかったな。
僕は、思ってしまう。
でも、こんな事考えるなんて僕ってすごく我儘だ。
「ふふふっ、仲がよろしいですね。」
看護婦さんは、そう言いながら夕食をベットに付いている机に置いてくれた。
「真白くんには、おうどんだけど食べれそう?」
「あっ、はい。」
「そう、良かったわ。
じゃあ、二時間後くらいにまた食器取りに来るわね。」
そう言うと看護婦さんは、部屋を出ていった。
机の上には、うどん、それから煮魚、ご飯、おひたし、お味噌汁がある。
それにしても、少し量が多いな……
いや、これが普通なんだ。
食べるかな?
僕がご飯について考えていると時雨さんに、名前を呼ばれた。
「真白。」
「ど、どうしたんですか?」
「無理して食べなくていいからな。」
「でも、残すのもったいないです。」
「俺が食べるから、大丈夫だ。」
「……、ごめんなさい。」
「謝ることじゃない。」
「っ、ごめんなさい。」
時雨さんは、僕を後から抱きしめ言う。
それは、とっても優しい声で。
「こういう時は、もっと違う言葉が聞きたいな。」
違う言葉?
何、それ?
何て言えばいいの?
分かんない。
どうしよう。
嫌だ、時雨さんに嫌われるのは。
考えよう。
時雨さんには、いつも迷惑をかけててすっごく感謝してる。
僕は、迷惑ばっかりかけててごめんなさいって気持ちで一杯だ。
それに今も時雨さんの言う、違う言葉が分からなくてきっと時雨さんは、迷惑だと思ってる。
ごめんなさい以外の言葉。
すみません?
申し訳ございませんでした?
この二つじゃない。
どちらも同じ意味だから。
じゃあ、何?
多分、謝罪の言葉じゃない。
ん?
なら、それなら、一つだけだ。
合ってるかは、分からないけど多分この言葉だ。
僕は、後ろを向いて時雨さんの事を見て言った。
「……あ、ありがとうございます。」
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