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結斗の過去編ー3
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全身が痛い。
お腹の中にドロっとしたものがある。
おそらく、犯され続けた後に放置されたんだろう。
俺は、周りを見渡した。
外は、暗い。
もう夜か……
なら、少々汚くても気にする事はないな。
幸いここから割と家は、近いし。
でも、動けない。
どうするか……
俺が床で寝ながら考えていると、急にドアが開いた。
俺は、とっさに身構える。
俺は、ドアの方を見ると色んな意味で驚く。
「な……ん…で」
ドアを開けたのは、雅だからだ。
「何でって言うのは、こっちのセリフよ結斗。
何年、幼馴染やってると思ってるの。
貴方の事なんて大体お見通しよ。」
雅に知られた。
隼にも伝わるかもしれない。
それは、嫌だ。
「た…………の…む」
声が上手く出ない。
でも、早く伝えないと。
「安心しなさい結斗。
隼には、言わないわよ。
私と貴方の秘密。
家まで連れて帰ってあげるから、眠って大丈夫よ。」
俺は、雅の言葉で眠りについた。
何時間寝たのは、分からないが起きたらベット上にいた。
「……んっ」
手当がされている。
雅がやってくれたんだろう。
ここは、俺の家。
俺は、ベットを降りてリビングに向かう。
リビングでは、雅お茶を飲みながらソファでゆったりしている。
「あら、起きたの?」
「悪かった。」
「何に対しての謝罪なのかしら、それ。
まぁ色々話したいから、私の横に座ってくれる?」
顔は、笑っているが目が笑っていない。
俺は、雅の横に座る。
これは、説教だろうな。
「結斗、色々話したいんだけどとりあえずこれ飲みなさい。」
そう言って雅が俺に渡したのは、スポーツドリンクだ。
俺は、何口か飲んで前にある机におく。
「飲んだわね。
話がおわったら、ちゃんとご飯も食べてるのよ。」
「分かった。」
「じゃあ、早速話すわよ。
貴方は、あそこで何をしていたの?
そして、なんでこういう事になったの。」
「何をしていたかは、雅の想像通りだ。
何で、こういう事になったかは色々だ。」
「色々って、貴方ねぇ。」
本当に色々だ。
色んな事が重なって、今の状況に至ってるんだ。
「私は、その色々が聞きたいんだけど。
私の予想的には、隼絡みだと思うんだけど。」
勘が鋭い。
「はぁ〜。
そうだよ、隼絡みだよ。」
「じゃあ、それを話してちょうだい。
もちろん、他の人に言うつもりは一切ないわ。」
「そうだな、まず隼がヤクザと関わりがあるのは分かるよな。」
「えぇ、それは、知ってるわ。
確か、如月組の若頭よね。
隼は、そこの専属医になる為に医大に来た。」
「あぁ、そうだ。
簡単な話、俺は隼達のなんやかんやに巻き込まれたらしい。
何でああいう事を断らないかは、脅されてるからだ。」
「なんやかんやって、貴方ねぇ。」
雅は、呆れた顔をしている。
まぁ、当たり前かざっくり話してるしな。
話すのがめんどくさい。
それに、俺もそこまで詳しく知ってるわけじゃないしな。
脅されてるから、やってるだけだ。
それで、心身共にダメージ受けてるけどな。
でも、隼の為なら何だって我慢できるし大丈夫だ。
「で、脅されてる内容は?
私は、そこが一番気になるだけど。」
「あぁ、それはだな。
俺が従わないと隼が、ああいう目に会うっていわれた。」
「それだけ?」
「あぁ、これだけだ。」
「そう。」
「でも、いつかはあいつらに仕返しするぜ。
あいつらに命令出してる奴らも、分かったしな。
俺は、今は耐える。
それが一番だとおもってるから。」
「結斗……」
それが一番なんだよ。
俺一人が耐えればいい。
いつかは、どうせ終わるんだから。
それに、隼を守れてる。
隼がちゃんと、元気でいてくれてる。
俺は、それで十分だ。
「なら、私も手伝うわ。」
「は?
雅、お前は、関係ないだろ。」
「そうねぇ、関係ないわねぇ。
じゃあ、関係したらいいのね。」
何を言ってるんだ?
関係したらいいって、雅の奴何する気なんだ。
「何する気だよ。」
「木下組に入る。」
「なっ、それ!」
「木下組、これが命令を出している所でしょ?
私、ここ入るわ。
何で知ってるかは、企業秘密よ。」
「雅。
昔から思うんだが、お前の情報量凄くないか?」
「まぁね。
ねぇ、隼。
貴方が耐えると言うんなら私は、あまり何も言わないようにするわ。
でもね、やっぱりもっと頼ってほしいわ。
貴方は、何も言わなければ私達は傷つかなくて済むと思ってるみたいだけど……
何も言われないってのうのは、案外傷つくものよ。
だからせめて私にだけは、頼ってよ。
お願いだから。
私も精一杯、どうにかしようと頑張るから。
お願いだから、一人で抱え込まないで。
貴方、一人で傷つこうとしないで。」
そう言う雅の目は、涙がポロポロ溢れ出ていた。
本当に、いい幼馴染だな。
「分かったよ。
これからは、なるべく頼るよ。
ごはん食べよう。」
雅大丈夫だ、俺は。
大丈夫なんだよ。
俺は、そっと心中で呟いた。
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