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Side有生、29
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「...ゃ...だめ」
と1人呟く有生。
時々ファッション雑誌とは思えないほどの、男女問わないエロい絡みの仕事があるのは、以前見せて貰った時に知った。
その時は、恥ずかしい気持ちだけが頭を占めていたけれど、孝彰の事がはっきりと好きだと自覚した今は、更に別の嫌な気持ちがふつふつと湧いているのを感じる。
今も目に入った瞬間、胸がチクッとして雑誌を閉じた。
(すっごい美人と、は...はだっ...裸でベッドにいたっ!)
仕事でやってる事だから気にしちゃだめだ、と自分にいい気がせながらも、心のザワザワが止まらない。
(...あんなの、見たくない...)
何とか気を取り直して他のを見ることにする。
テーブルの上だけで見るよりも、もっとリアルに感じたいと思った有生は、気に入った写真を斜め上に掲げて見ながら、まるでいつもと違う、K‐AKIとしての彼が目の前にいたら…と言うシチュエーションを1人で楽しんでいた。
(有生......なんて、名前呼んでくれたりして...)
「......はぁ...幸せ...っ...わっ!」
隣にホンモノの孝彰が立っていて、有生を見ていた。
自分の趣味嗜好を見られて、裸を見られるのと同じくらい恥ずかしい気分になる。
「孝彰さんっ、脅かさないで...心臓一瞬止まったよ」
「有生、そうゆう顔は僕だけにしてほしいな」
「......顔?変ですか、僕」
「恋する乙女みたい」
「おと...、ひど...そんな顔、したとしても孝彰さんにしかしません!」
「してた、今、そのケアキに」
と言って写真を指差す孝彰の顔は、子供っぽく拗ねているようだった。
有生は、可愛い...と思いながら、
「は?これも孝彰さんじゃな...っ...」
同じだろう、と言いかけたところで唇を塞がれた。
(...え…孝彰さん、怒ってる...?)
いきなりの荒々しいキスに、腰から力が抜けそうだ
濡れた髪の隙間から見える瞳がギラギラしてるように見える。まるでさっきまで見ていた写真の中のK-AKIが、そこにいるかのようだ。
(...やっぱり...同じ孝彰さんじゃ...)
「...んっ…...っ...孝...彰...さ...」
もう倒れる、と思った有生は、孝彰に訴えかけた。
けれど倒れることは無かった。腰をしっかりホールドされていて、足を浮かせてもそのままの姿勢でいられそうだった。
「...有生...有生...好きだ...」
「僕も...孝彰さんが好き...どんな孝彰さんも...全部...好き」
そう言うと、孝彰がピクっと離れた。
「......有生には、本当の僕しか好きになって欲しくない」
「え......あっ.....ん...んっ...」
「ベッドへ行こう...有生の練習の成果も見たいしね」
本当の僕、と言ったことが引っかかったのに、孝彰にいやらしい事を言われ、考えられなくさせられる。
「......ぅ...はい......え...あ、あの、ちょ...」
彼にひよいっと抱えあげられて寝室へ入った。
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