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それは突然に
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「……は?今なんて言った?」
突然のことに驚きを隠せない。
俺は神崎 奏斗(かんざき かなと)
そして今すごくイラついている。理由は親の理不尽な頼み…というよりは強制的にと言った方が正しいのかもしれない。
「私たち、しばらく海外に住むことにしたから〜♪」
「…なんで?」
「だって〜日本に住んでるの飽きちゃったのよ〜だから、気分転換に海外に住むことにしたの♪……あ!奏斗ちゃんは、雅樹さんの学校に転校してね♡」
飽きたから海外に住む?旅行だけで充分な気がするが…それにわざわざ転校なんてしなくても学校なんて普段行ってないことの方が多いんだから。
「1人暮らしでいいし、転校する意味ないだろ」
「でもね、雅樹さんにはもう言ってあるのよ〜奏斗ちゃんが来るの楽しみだって言ってたわ」
雅樹(まさき)さんは俺の叔父にあたる人で私立高校の理事長をしていて小さい頃に何回か会ったことがあるのを覚えている。
…というか俺の話を全く聞いてないどころか、いつの間にそんな話進めていたのだろうか、少しぐらいは聞いてくれてもいいと思う。
待てよ…叔父さんの学校は確か全寮制だったようなと思い出した俺は1人暮らしをさせない理由が、なんとなくだがわかった気がする。ただでさえ学校に行ってない俺を1人にしておくわけがない。寮に入れてしまえば抜け出すのは難しいだろう。
これだけ上手く話がまとまっているからきっとこれは、前から考えていたことであってそれを実行するきっかけがなかっただけだと思う。
もう諦めるしかない、俺には家や部屋を借りるほどの貯金はない。
「それで?いつ叔父さんのところに行けばいいの」
「今から行くから必要な物だけ持って」
もう言い返す気も起きなくて深い溜め息をついて分かったとしぶしぶ頷いた。
ちなみに今日から寮に住むらしい。日常生活で必要な物や俺の部屋に置いてある荷物は後で送ってくれるそうだ。
明日は手続きだけでいいらしいから学校に通うのは明後日からになるそうだ。荷物が届いていれば手続きが終わった後にでもやることにしよう。きっとそれ以外にやるとこがない。
これから始まる生活が不安ではあるが、これを機に俺も少しは更生をしようと思った。
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