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生徒会室 side:龍也
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あいつが部屋を飛び出して行った後、追いかけようとしたがやめた。きっとすぐに捕まえられるけど捕まえたところであの状態だったらまた同じことの繰り返しのような気がしたから。
襲いかけた本人が言うのはおかしな話だが、押し倒して少し触っただけであんな風になると思ってなかった。
他人が嫌いとか?
いや、それなら初めに会った時点で逃げてるか。
最悪なパターンを考えるなら、過去に同じようなことがあった…だろうな。
「それとあいつが最後に言った言葉…」
“…こわい……やだ…っ。…ごめんなさ……ゆるして”
まるで俺じゃない誰かに言っているような感じだったし、とても幼く感じた…気の所為かもしれないけど。
「つか、襲われる前に襲うって…俺もその辺のクズと同じじゃねーか」
まぁなんにせよ、ここで俺がいくら悩もうとあいつに聞かないと何もわからないままだし、ちゃんと謝らねーとな。
気が紛れるかはわからないが、整理しないといけない書類もあったため生徒会室に向かった。
「はぁ〜…普段は彰に任せっきりだからな〜慣れないことすると疲労感がすごい…」
生徒会室で書類をまとめてしばらくすると彰が奏斗と一緒に入ってきた。
彰と話していた奏斗を見て少しイラッとした。
俺には敵意剥き出しで彰には楽しそうに笑っていて…
俺の最初の絡み方が悪かったのはわかってるけど、なんでこんなにイライラするんだ?
「………なんで彰がそいつと一緒にいるんだ?」
「理事長にいろいろと頼まれたからだ。そんなことよりもお前はまず、奏斗くんに謝れ」
「いちいち言われなくてもわかってるし、最初からそのつもりだったよ」
「悪かったな」
奏斗の頭を撫でるとポカーンとしていて、その呆気に取られている顔が可愛い。
「あ、言い忘れるところだった」
「なんだ?案内とかもあるから手短かに…」
「こいつ、今日から俺と同室な。もう手続き済みだから。あと変更不可っつーことで、よろしくな奏斗」
俺が言ったことに2人とも驚いているが…正直、俺自身も驚いている。なぜなら、この案はたった今思いついてとっさに口にしてしまったからだ。
後で手続きするだけのことだから、そのことについては別に問題ない。それよりもなんで俺がこんなに必死になってまでこいつのことが気になるのかが問題だ。
誰かとちゃんと話をしたい…そして何よりも一緒にいたいと思ったのは初めてだった。
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