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同級生
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同室になったからと言われ部屋に連れて行かれそうになったが、大人しく着いて行くはずがない。
俺は、雅樹さんに今日だけでいいからとお願いして部屋を借りることにした。
「そういえば、奏斗くんのクラス2年1組になったみたい。ちゃんと行くんだよ?」
「初日から休まないよ。それにいい機会だから更生しようと思ってたし」
「この学校に来る前、相当遊んでたらしいね」
「喧嘩売ってくる奴らが多かったんだよ。それを買ってただけで俺からは何もしてない」
最初は喧嘩売ってくる奴もいなかったし、しようとも思わなかった。
それどころか、可愛いとか綺麗とか言ってくる奴らばかりで特に気にもしていなかったが、それが次第に付き合ってほしいだの自分だけのものだの言われ、挙げ句の果てには痴漢までされるようになった俺は不良の道へとまっしぐら。
「まず担任の先生に挨拶してから教室に行くみたいだから先に職員室ね」
「担任の先生の名前は?」
「霧島先生だよ」
「え、もしかして霧島って銀士さん?」
「あれ?奏斗くんと霧島先生って知り合いだったっけ?」
廊下でぶつかったことや彰さんのところまで連れて行ってくれたことを話すと雅樹さんが、そんな漫画見たいな出会い方が実際あるのかと笑っていた。
「奏斗ちゃん、おはよー」
「はよーございまーす。つかなんで、ちゃん付け?奏斗でいいよ」
「こっちのが可愛いだろ?」
「可愛い言うな。早く教室行こぜ」
「あ、それから2人の時は別にいいけど、他の人がいる時は敬語忘れないように!」
「なんで?」
「俺、一応教師だし変に勘違いされても困るから。特に御子柴に…」
教室の前まで着き、説明が終わったら呼ぶからと言われ廊下で待っている。
昨日は感じなかった緊張が少しある。クラスに馴染めるかという不安もあるが…それよりも特に何事もなく残りの約2年間を過ごして無事に卒業出来ればいい…なんて考えていると銀士さんの説明が終わって中に入った。
教室の中はざわざわと話し声であふれている。転校生が来た時の雰囲気は大体どこも一緒だ。
予想外だったのは、俺が教室に入ると「可愛い」「彼氏いる?」「抱かせて」とそんな声がちらほらと聞こえてきたこと。
俺は可愛くねぇ!!!しかも彼氏ってなんだ?俺は男だぞ?最後の抱かせてとは…?
喋るタイミングを失ってしまって助け船を出してもらおうと銀士さんの方をチラッと見ると苦笑いをしながらも助けてくれた。
「はいはい、静かにして。神崎が挨拶できないだろー。じゃあ名前となんか一言あればどうぞ」
「神崎奏斗です、わからないことが多いので教えてくれると助かります…よろしくお願いします」
「席は窓際の一番後ろね。阿久津、悪いんだけど暫く面倒みてあげて」
「わかりました」
HRの終わりを告げるチャイムが鳴り、再びざわざわとし始める教室。
俺はこれからお世話になる予定の隣の席になった阿久津に改めて挨拶をしようと思い、話しかけようとしたら同じことを考えていたのか阿久津の方から話しかけてきた。
「僕は阿久津 和臣(あくつ かずおみ)です。風紀委員の副会長やらせてもらってます。わからないことがあったらなんでも聞いてください」
「ありがと。頼りにさせてもらう。それと敬語じゃなくていいよ?同い年なんだし」
「これは…えっと、癖みたいなもので…神崎さんだけじゃないというか、嫌ならなるべく普通に話せるように頑張…るから」
「同級生から神崎さんって初めて言われたよ。嫌じゃないし癖なら無理して直さなくていいから、せめて奏斗って呼んでほしいな」
「じゃあ、奏斗…くん?でもいいかな?」
「おう。改めてよろしくな、あっくん」
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