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人違い
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放課後、銀士さんに指導室に来るように言われた俺は、
登校初日からなんで指導室に呼び出されるんだ?と思ったら、寮についての話があるらしく、何も悪いことはしてないが指導室=悪いことをしたという勝手なイメージがあり不安だったが、少しホッとした。
「寮についてなんだけど…御子柴と同室になってるの知ってた?」
「昨日、生徒会室で言われたけど本当だったんだ…」
「生徒会と風紀委員の寮は、基本1人部屋になってるんだけど…本人の希望と手続きで同室も可能になってるんだ。それにしてもあいつ行動早すぎ」
「学年違うし、あの時は俺を部屋に連れて行くための口実だとばかり…」
「普通なら同学年が原則だけど、生徒会となると話は別。部屋変えたいなら御子柴に頼むしかない。まぁ無理だと思うけどな」
何が無理だ!他人事だと思って!
大体、生徒会長だからって勝手に決めやがって。
俺の意見は全部無視か?
こうなったら絶対に違う部屋にしてもらう。
そう決めた俺は抗議をするため、生徒会室へ足を運んだ。
「おい、バカ会長!俺は同じ部屋なんて嫌だからな…って、あれ?」
「おーお前が噂の転校生か」
生徒会室にいると思って勢いよく怒鳴り込んだが、いたのは知らない生徒が1人。
イライラしていたとはいえ、よく確認してから怒鳴るべきだな…ちょっと恥ずかしい。
「いやーまさか怒鳴り込んでくるなんてな。聞いてた以上だな」
「えっと…あなたは?」
そこにいたのはバカ会長でも彰さんでもなく、見た感じスポーツ万能そうで誰からも好かれそうな爽やかな印象の人。
「俺は日高 空海(ひだか くうかい)3年で風紀委員長。お前のことは龍と相沢から聞いたぞー」
「えっ、3年の人?風紀委員?あの…」
「おいおい、ちょっと落ち着け。はい、深呼吸ー」
スー ハー スー ハー
って深呼吸してる場合じゃない!
いると思い込んでいきなり怒鳴り込むとか超恥ずかしいじゃん!
するといつの間にか近くに来ていた空海が奏斗の顔を覗き込んで質問をした。
「なぁお前さ、龍の彼女?」
「はぁ!?そんなわけないだろ!俺は男だ!それに昨日会ったばっかりで知らない間に同室にされるしで困ってるんだ!」
空海は腕を組みながら考え事をしているようだった。
暫くすると奏斗の方を見てニヤリと笑みを零した。
「へぇーそんなに、お気に入りなんだ。俺も少し味見させてもらおうかな」
「さっきから何言って…」
すると俺の腕を掴み無理やり抱き寄せられると、タイミングが良いのか悪いのか…同時くらいに生徒会室の扉が開いた。
「空海、お前何やってんだ?そいつは俺のだ…って言ったよな?」
扉を開けて部屋に入ってきたのは、殺気を漂わせ鋭い視線でこちらを睨んでくる龍也だった。
「まだ何もしてないから落ち着け」
「まだ…ってことは少なくともこれから何かしようとしてたってことだよな?お前でも許さねぇぞ…ってか、いつまでくっついてんだよ!いい加減離れろ!」
奏斗に抱きついていた空海を引き離すと、龍也は自分の後ろに奏斗を隠すようにして空海から遠ざけた。
「そんな遊んでる暇があるなら仕事しろ!」
今にも殴りかかりそうな龍也を止めたのは奏斗でも空海でもなく彰だった。
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