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部活動そして生徒会
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「お前ら、いい加減にしないと本気で怒るぞ」
「悪かったって、反省してます」
垂直に近いんじゃないかと思うぐらいの綺麗なお辞儀をして彰に全力で謝る空海。
一方、龍也は奏斗に抱きついたまま自分は関係ないという態度。
「龍也、お前もだ。いい加減にしろ」
「今のは空海が悪いだろ。俺まで巻き込むな」
「いつまでくっついてんだ!もう離れろ!」
俺が怒られていたわけじゃないのに彰さんが怖くてこのバカ会長がくっついてるのすっかり忘れてた。
案外、あっさりと離れてくれて少し驚いた。
「龍と彰もう少し早く来てたらな〜。こいつ、すげぇ面白かったぞ?」
「面白くないし、こっちは真剣に…」
何が面白かったのかクスクスと笑いをこらえている空海の言葉で、ここに来た本来の目的を思い出した奏斗。
先程は本人がいなくて空振りに終わったが、今度こそきちんと話して早急に何とかしたい。
「そうだ、部屋!誰でもいいから同級生と…もしくは1人部屋とかに変えてほしい」
「無理。断る」
「なんでだ!?しかも勝手に決めるんじゃねぇ!!! 俺の意見も聞け!」
「だって俺、生徒会長。決める権利なら持ってる。理由が欲しいのか?そうだな〜……お前に興味を持ったから」
ダメだ。全くこっちの意見が通らない。なんだこの会長。
「まだ説明してなかったのか?」
「空海が余計なことしてなければ話せてたんだよ」
そういうことじゃないだろうと思ったが、呆れてものも言えない。頭を抱える彰の横でゲラゲラと笑っている空海。
「本当に?龍のことだからどうせ面倒くさいとかで話さなかったと思うけどな」
俺が知らないだけで、ちゃんとした理由はあるみたいだが、どうしてそれと同室が関わるんだ?
だが龍也は、やっぱり説明が面倒くさいのか話す気配がない。するとそれを見かねた彰がため息をついて代わりに話を始めた。
「実は理事長から奏斗くんを生徒会に入れられないかと相談があって」
「雅樹さ…理事長が?」
「うん。あと生徒会と風紀委員は、奏斗くんが理事長の親戚ってこと知ってるから特に隠さなくて大丈夫だよ。それで話を戻すけど…この学校の規則というか単位も関係してて絶対に部活動に参加しないといけないんだ。そしたら理事長が奏斗くんは絶対入らないっていうと思うんだけど規則だからどうしようって」
お見通しか…さすが雅樹さん。
そもそも部活なんてやったことないし、興味もないし、運動神経がいいわけでもない。
これといってずば抜けた才能があるわけでもない。
それに今まで強制的に入れということもなかった。
「部活は…確かにやりたくない。しかも結構重要なことなのに、雅樹さんからその話が出なかったことが不思議だ…」
あと改めて思ったが、母さんに似てるな〜って。
大事なこと伝え忘れたり、なんとかなるだろうみたいなところもすごいそっくり。
「それで特例ってことなら入れるけど、役職がもうないから生徒会長補佐とかになるかな…って言っても肩書きは、って感じだから忙しい時とかに手伝ってくれれば普段は何もしなくて大丈夫だよ」
「部活の件ありがとうございます。だけど、なんでそれと部屋が関係するんですか?」
「あ、そうだった。そのことなんだけどね………」
そして生徒会に関わったことで事件が起きるなんて、この時の俺は想像すらしていなかった。
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