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屋上のサボり魔
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「奏斗くん、一緒に会議室…行かない?」
「うん、行く!」
帰り支度が終わってなかった奏斗は、再び鞄に荷物を詰め始めた。まだ学校のどこに何があるのか覚えてないから助かる。
「あっ!!」
急に立ち上がった奏斗に驚いたのか目を見開く阿久津。
「どうしたの?」
「彰さんに頼まれてたのすっかり忘れてた…」
頼まれたのは会長を連れてきてほしいということ。
サボりの常習犯らしい…
俺が行けば断れないから行ってほしいと昼休みに頼まれたのだ。
「ごめん、あっくん。一緒に行きたいんだけど、彰さんから会長を迎えに行ってって頼まれて…遅くなっちゃうかもしれないから先に行った方がいいかも…」
「そっか。それより思い出せてよかったね!会長、サボりの常習犯だからね…大変そう」
「そんなに大変なの!?うわぁ…なんで俺頼まれたんだろう…」
教室であっくんと別れた後、俺は屋上に向かった。
高確率で屋上でサボっていることが多いと聞き、まず屋上に向かうことにしたのだ。
階段を上がり屋上の扉の前にくると
〈ここから先 立ち入り禁止〉という張り紙とロープがあった。ゆっくりとドアノブを回すと扉が開く。
本来なら鍵がかかっているはずだが、開いてるということは会長が中にいる可能性が高い。
もしかしたら、張り紙だけで鍵がかかっていないのかもしれないが、確かめてみないとわからない。
屋上に出て辺りを見回すと建物の影になっているところで会長が寝ていた。
こんなところで寝たら風邪引くだろう…
それに寝てる場合じゃねぇだろ…
会長を起こすため、側に行きしゃがみ混む。
「…なぁ、会議行かないと彰さんに怒られるぞ…」
会長の身体をツンツンしてみたり、揺すってみたが起きる気配がない。
どうしたら起きるか、考えながら眺めていると
急に腕を引っ張られ視界が反転する。
「お前…起きてたのかよ…」
「いや、寝てたよ。奏斗が入って来たぐらいから起きた」
「最初から起きてんじゃねーか!!!全然起きないからどうしようかと…」
「必死に起こそうとしてる姿が可愛くてな。起きるタイミング見失った」
こいつ…あとで殴ってやる……
「それより早く会議室に…って、ふぇ?」
上から覆いかぶさるように抱きしめられ、再び寝る体勢になる龍也。
その腕から逃れようとするが、びくともしない。
奏斗が不利な体勢のせいか、龍也の方が力が強いのか、
全くと言っていいほどかなわない。
「マジでいい加減にしろよ…これ以上迷惑かけるなら俺はもうお前と関わらないからな!」
「それは困るな」
「じゃあ会議室に行く!そして会議に参加する!」
「………はぁ、わかったよ。行きます、会議にも出ます…」
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