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鬼ごっこ 開始
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会議や準備も順調に終わり、親睦会当日を迎えた。
「マジでやりたくねぇ」
不機嫌なオーラを全開に文句を言う生徒会長…
俺だってやりたくない。
運動神経はいい方だと思うが好きか嫌いかで言うと嫌いだから極力やりたくはない。
「言い忘れてたが、スタートしたらロビーに向かってそこで待ってろ」
「え…なんで?」
「順番が決まってて一斉にスタートってわけじゃないから」
最初に生徒会・風紀委員の2年がスタートしてその次に
生徒会・風紀委員の3年で最後に鬼の生徒全員がスタートすることになっている。
会長はどうやら俺と一緒に逃げようとしている為、
待ち合わせ場所を決めたいらしい。
「1人で逃げられるから大丈夫。俺のことは気にせずに」
「お前なぁ、何かあってからじゃ…」
生徒会・風紀委員の2年生、スタート地点までお越しくださいとアナウンスが流れた。
会長にもう一度大丈夫だと伝えて、その場を後にした。
「あの野郎…少しは俺の言うことも聞け」
スタート地点に着くと既にあっくんが準備を始めていた。
アナウンスがあったから遅れたと思ったが、事前に放送があると聞いて少し安心した。
「奏斗くん、先輩と待ち合わせ場所って決めた?」
「あぁ…それなら、会長に言われたけど断った」
「断った!?え、なんで!?大丈夫なの…?」
「大丈夫…だと思う!それに迷惑かけるよりは1人の方がいいし」
「でも…先輩たちといた方が安心かもよ?僕も空海さんと待ち合わせしてるし…会長が嫌なら、せめて彰さんと一緒にいるとかした方が……それか僕たちと一緒に…」
「スタートになりますので、こちらに」
全ての準備が整い、スターターピストルが校庭に鳴り響いた。
鬼ごっこ 開始だ。
そして俺は、なんであの時…
あいつの言葉を聞かなかったのか。
少しでも耳を傾ければ…
きっと、こんなことにはならなかっただろう…。
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