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苦くて、苦しくて
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「はぁ、人間ってなんで生きてるんだろう。」
最近、夜眠る前になると、この事を考えるようになった。
僕は、いつの間にかそんな事を思って生きるよう
になっていた。
実際、自分の生きている意味など分からないし、
多分僕の生きている意味などないのだろう。
その事を決定づけるかのように、僕は、親から暴
力を受けてきたし、家に帰ったら、【イラナイ
コ】と言われ、まるで、存在しないモノのように
扱われた。中学、高校でも、クラスに馴染めな
くって、無視されていた。
そのせいでかは知らないけど、いつからかな、ま
あ、そんな頃から、自分の存在の意味があるのか
分からなくなっていた。
けれど、僕には、1つだけ心から好きと言えるも
のがあった。
それは、『音楽』だ。
音楽の事を考えている時だけは、嫌なことを忘れ
ることが出来た。
そして、僕はこの、僕の声を気に入っている。
僕は、歌う事が好きだ。
しかし、僕の周りの人達は、
「お前の声はきもい。」
だとか、
「女みたいな声ー。へんなのー。」
そんな、ココロナイコエを僕に投げつけた。
けれど、僕はそんなコトなんとも思わない。
いや、正確に言うと、なんとも思わないと
自分に信じ込ませている。
そこまで気にしてしまうと、自分の中の
『何か』
が壊れてしまうきがするから。
音を立ててガラガラと。
こんな【イラナイコ】の僕には、音楽しかないんだ。
僕は自分の存在の意味が分からない。
それだからか知らないが僕は必死に『音楽』に
すがりつく。
自分でも、何故そこまで縋るのか分からないほどに。
まあ、今の僕がそんな事を考えて分かるはずもない。
僕は、思考回路をシャットアウトするように、
目を閉じて、眠りについた。
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