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デート
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休日に家でゴロゴロしていたら、いつもなら昼前まで寝ているはずのえおえおが起きてきた。
何事かと思えば、俺と一緒に行きたい所があるらしい。
暇だったし、二つ返事でいいよと返せば、嬉しそうに着替えるために自室に向かうえおえお。
こうやって、唐突に言い出してくるあたり、起きてからネットサーフィンしてたら見つけちゃったパターンか。
行きたい場所があると言われたが、よく考えれば車の運転は俺じゃないか。
(まぁいいか…いつもの事だし)
どこに行くのかな?なんてちょっとしたわくわくがないと嫌な女子とは違い、むしろ行き先が分かってた方がいい。
車に乗り込み、ナビを設定する。
そこそこ遠いな。
どうやら目的地は公園らしい。
赤信号で止まり、隣をチラリと見る。
新しくしたというレンズを今まさに取り付けている最中だった。
「ねぇ、撮り終わったら俺にも貸して」
「ん?あぁ、全然いいよ」
まるで新しい玩具を買ってもらった子供のように、目を輝かせながら取り付けている。
早く使いたいなぁと、わくわくしているのが伝わってくる。
こうやってカメラの話で盛り上がれるのは、俺的には凄く嬉しいことなのだ。
一人でふらふら何処かに行っても、いつの間にか隣にいるし、俺のことを撮ってはその写真を送ってくれるし、何より俺が真剣に撮っている時は邪魔をしてこない。
「これ、凄いんだけど」
レンズを覗いてえおえおが呟く。
気になったが、信号の方が気になり前を向くと、丁度青に変わった。
カシャッ
隣でシャッター音が聞こえる。
「今、俺で試しただろ」
すぐに俺を撮ったと分かった。
写真を確認しているえおえおが笑ったので、どんな酷い顔をしていたのだろうかと気になった。
「これ、後で送る」
「……ここで見せてくれないの?」
後で送る。そう言って、また写真を見ているようだった。
俺の問いかけには答えず、カメラをしまってしまった。
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