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再会2
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「ほれ、コーヒーだ」
「え……?」
ソファーに座っていた公彦は、唐突に差し出されたマグカップに驚いて吉正を見上げる。中には、良い香りを立ち上らせるコーヒーが入っていた。信じられない物を見たように、マグカップと吉正を交互に見る公彦。あの、自分の事を塵や雑草を見るような瞳で見ていた吉正が、自分の為にコーヒーを用意するなんて思わなかった。
なかなかマグカップを受け取らない公彦に、不機嫌に眉をひそめる吉正。
「何だ?コーヒーより血の方が良いか?」
「い、いえ。血よりコーヒーの方が助かります」
「じゃあ、ほれ」
「あ、ありがとう……ございます」
両手でマグカップを受け取った公彦は、中身を見つめると、覚悟を決めて、おそるおそる口をつける。すると、酸味のある心地好い苦味が舌を刺激した。予想外に美味な味に、ホウと満足げに息を吐く公彦。それを横目で眺めていた吉正は、何かを思い出したように口を開いた。
「そう言えば、お前は何か勘違いしているみたいだが、あの中で見所が有りそうな奴が、お前の主だったから担任になったんだ。やる気がなくて才能もない奴を相手にしても、時間の無駄だからな。別にお前の主を虐めて楽しもうとは思っていない」
「そうだったのですか。早合点してしまい、誠に申し訳ございません」
「気にするな。勘違いさせるような事をした俺にも責がある」
しょぼんと肩を落として落ち込む公彦。今更ながら、自分の暴走っぷりが恥ずかしくなる。
「ねえ!吉ちゃん!公ちゃんが見つかったって本当!?」
公彦が落ち込んでいると、突然扉が開かれ、小柄な男性が現れた。公彦の幼馴染みで、現在は退魔師である寛は、部屋の現状を目にして固まった。
ここで情報を整理。
Ⅰ、行方不明だった幼馴染み
Ⅱ、泣きはらした瞳の幼馴染み
Ⅲ、抜き身の剣を持つ友人
Ⅳ、荒れ果てた室内
公彦の命が危ない
「公ちゃぁぁぁん!逃げてぇぇぇぇぇ!」
流れるように刀を抜き放った寛は、絶叫しながら吉正に襲い掛かった。
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