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2回目(2)
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「ふぅー美味しかった」
浅野は満足気にそう言って、スプーンを置いた。
おかわりまでして、本当に美味しそうに食べてくれた。
自分が作った飯を、一緒に食べてくれる人がいるって、いいもんだよな。
食べた後は一緒に皿洗って…
「よし、終わった」
先に、ビール片手にソファーに座ってテレビを観ていた浅野に目をやると目が合って、手招きされた。
「ん?」
自分も飲みかけのビールを片手に、呼ばれた方へ近付くと、浅野はソファーを‘ポンポン,と弾むように叩いた。
そこは、浅野の隣。
隣に座れって事か。
素直に従って隣に座ると、浅野がゴロンと横になり、俺の膝の上に浅野の頭が乗っかって来た。
男の膝枕って気持ちいいのか?なんて照れ隠しに思いながら
「食べてすぐ寝ると牛になるぞ」
口でも照れ隠しにそう言って、浅野の頭を撫でた。
「後で運動するからいいんだよ」
「えーと、何の運動でしょうか?」
「ん?腕立て100回だけど?篠原は何の運動だと思ったのかなー?」
明らかに違う運動だと分かりきっているのに、そんな答えが返って来た。
腕立て100回だぁ?そんな事これっぽっちも思って無い癖に。
俺の事をからかうようにニヤリと笑う浅野に、仕返しと言わんばかりに、俺は浅野の頭を膝から引き剥がした。
「さてと、牛さんは放っておいて、DVDでも観ようかな」
そう言って立ち上がると、浅野の頭がソファーにボスンと落ちる。
「痛てっ」
ふん。俺の事からかった罰だ。
俺だってきっと、その‘運動,をしたいと思ってる。多分今、そういう雰囲気になったら、流されるだろうし、自分からそういう雰囲気にもって行けなくも無い。
でも、それをしないのは浅野と一緒に居るのはそれだけの為じゃないし、ガッついてるって思われるのも恥ずかしいから…
DVDでも観て、お楽しみは後にとっておくのも悪くない。
「えーと…」
テレビの設定を変えて、DVDの電源を…
「……⁉︎」
ゲッ!ヤバイ!
一体、何がヤバイかって?
見つけてしまったんだ。テレビの下のDVDプレイヤーとかを置いてる、ラックの下に、片付け損ねたアダルトDVD(勿論ゲイ物)を。
そういえば前に突然お袋が部屋に来る事になって、慌ててここに隠して、そのまま忘れてた。
あぁ…俺のバカ!浅野に見られちゃマズイ物は片付けたはずだったのに、一番ヤバイヤツが残ってたじゃないか!
まだ、浅野が気付いてないから良かったけど、ソファーに横になったら見える位置だよなコレ。やっぱりなんとかしないと…
「……」
俺は、自分の身体で浅野の方から見えない様に壁を作ると、サッとアダルトDVDを取り出し、タイトルが見えない様に反対側を向けて、立てて置いている他のDVDに紛れ込ませた。
よし。上手く行った…
「篠原。今、何隠した?」
ービクッ⁉︎ー
思わず、身体が大きく跳ねた。
それはもう、誰が見ても隠し事があるんだな、と言わなくてもバレるぐらいに。
「い、いや、何も…」
暑くも無いのに嫌な汗が吹き出して来る。
俺が強行突破で、借りて来たアクション物のDVDを手に取ろうとしたら、浅野が隣に近付いて来てDVDを奪った。
そして、ラックの中を覗き込んで…
「この、不自然にひっくり返ったDVDはなーんだ」
「あ!ダメ!」
GAMEOVER…
浅野の手の中にはしっかりと『君と僕のLOVESEXーお尻で感じる90分ー』が握られていた。
「ふーん…篠原こういうの観るんだ?」
「そ、それは!自分で買った訳じゃなくて、知り合いにそういう事務所で制作やってる人がいて、ストーリーとか、カメラワークの感想が聞きたいからって、もらったヤツで…」
嘘じゃない。「boys-bee」に行った時に、龍二さんの事務所で制作をしてる人から、ネコの目線で見た時に、どんな撮り方をしたら興奮するのかとか、素人からの純粋なアドバイスが聞きたいって言われてもらったんだ。
だから、断じて自分の性欲処理の為にDVDを観た訳じゃない…
「そんな、泣きそうな顔で言い訳するほど恥ずかしい事じゃないだろ。でも…ふーん」
浅野は、しどろもどろに言い訳をする俺の頭をポンポンと撫でると、興味津々にDVDの表と裏ジャケットの写真を見つめながら、そう言った。
メインは今人気のユウキ君って可愛い系の子と、タチは体育会系な感じのツヨシ君。
ドギツイハードな内容じゃなくて、恋人同士のLOVESEXをテーマにしてある。
「なぁ、もういいだろ?借りて来たDVD観よう?」
そう行って浅野の手の中のDVDを奪おうとすると、浅野はその手を躱して、パッケージを開けた。
「ちょ…浅野、お前まさか」
「観る」
浅野は有無を言わさずDVDをプレイヤーに突っ込むと、リモコンを押した。
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