アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出張ラヴァーズ(3)
-
「…はい」
『久し振り』
最後に電話で話してから、6日振りぐらいに聞く浅野の声。
「久し振り…何?」
『何って、元気かなーと思って掛けた』
「うん…元気」
ダメだ、声聞けて嬉しいのに、さっきまでの事がバレない様に意識し過ぎて、どうしても素っ気ない返事になってしまう。
「仕事順調?」
慌てて、そう言葉を繋げた。
『おう。いい感じだぞ。予定通りスムーズに行ってる』
「そっか…」
『…どうかしたか?何かそっけないし、いつもと違う感じするんだけど』
浅野にそう指摘されて、ギクリと身体が固まった。
「べ…別にどうもしてない!いつもと同じだしっ…」
思わず強く反論してしまい、それが逆に、違和感を強くしてしまったんじゃないかと不安になり、心臓がバクバクと煩く鳴り響く。
『そうか?あ、そう言えば‘アレ,の使い心地はどうですかー?』
「‘アレ,って…」
『バイブ。使ったか?』
う…
とぼけ様とした俺の言葉を遮る様に浅野にそう聞かれた。
「使う訳ないだろ!」
『ふーん。じゃあローターは?』
「-ッ…」
しまった!一瞬でも動揺が伝わったら、認めたようなもんじゃ無いか!
『マ…マジ?』
やっぱり使ったのバレてる。しかも、正に今使い心地を試してる最中だったなんて言えるか!
「もう、この話しは終わりに…」
俺が話しを切り上げ様とすると
『無理。想像したら勃った』
浅野が突然、そんな事を言った。
「勃っ…って、こんなの使ってる所想像するなよ…」
『篠原…今もしかして、一人でシてた?』
ビクッ!
驚き過ぎて思わず携帯を落としそうになってしまった。
「な…何でそんな事…っ」
何でばれたんだ?
『今、‘こんなの,って言っただろ?普通‘あんなの,だろ。こんなのって言い方するのは、手元にある証拠だと思ったんだけど』
あぁ…何で言ったんだよ俺!浅野が、俺の言う事に抜け目ない男で、誤魔化す時には細心の注意を払って発言しなければいけない事ぐらい分かってたはずなのに…
もう、恥ずかし過ぎて消えたい…
「…もうそっとしておいて下さい、お願いします。神様仏様浅野様。じゃ、お休みなさい…」
『オイ、待て待て!…切るなよ』
「嫌だ、切る」
『ダメ。まだイけて無いんだろ?聞いててやるから続けて』
え…?
「続けてって…まさか」
『そのまさか』
どう考えても、まぎれも無くテレフォンセックスじゃないか⁉︎
「お前なぁ…なんか最近変態っぽいぞ」
『だよな…俺も篠原と付き合うまで、自分がこんなにエロいヤツだったとは知らなかった』
俺と付き合うまで…か。
もう…所々キュンとくる言葉ぶっこんで来るの止めて欲しい。
「何だよ…俺のせいだって言うのか」
『ああ。篠原がエロいから俺にも移ったんだなきっと』
「移るかバカ…俺だって、浅野と付き合うまで、こんな自分知らなかったんだからな」
たった一週間会って居ないだけで、こんなに恋しくなって、挙句の果てに、浅野を思いながら、ローターまで使って一人で…
『こんな自分って、どんな?教えて』
「っ…」
『…淳也』
セックスの時限定の呼び名を、電話越しに耳に吹き込まれる。
「それ反則…」
まるで暗示を掛けられたみたいに、身体が熱く火照り出す。
『名前呼んで』
「…祐介…」
俺が、そう名前を呼ぶと、浅野は嬉しそうに小さく笑って…
『それ、OKって事だよな?』
そう言った。
「ん?」
『このまま続き聞かせてくれるんだろ?』
確かに、名前呼びはそういう時だけだけって、なんか変な暗黙の了解的な感じになってるけど、でも…
「お…俺は、お前が言えっていうから言っただけで…」
『じゃあ、俺がその気にさせてやる』
浅野はそう言った後、電話の向こうで何やらゴソゴソとし始めた。
「ちょ…何やって」
『今からお前の事、電話越しに抱くから』
熱っぽい浅野の声が、耳をくすぐる。
浅野の言葉に治まっていたはずの下半身の熱が再び湧き上がって来て、疼き出してしまう。
浅野に電話越しに抱かれるのはどんな気分なんだろうと、身体は正直に、期待を始めて…
「っ…もう…勝手にしろ」
俺は結局、白旗を上げた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 37