アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
感覚
-
「……んぅ…」
目が覚め、気配を感じて横を見れば鈴がにこにこしながら座っていた
「あ、起きた?熱測ってみて」
そっと体温計を渡される
「…別に測らなくていい」
「ほら。そんなこと言わずにー」
無理矢理、手に握らされる
仕方なく受け取り、脇に挟むと、よしよし。って頭を撫でられた
ピピピッ
軽快な音がなり、脇から取り出す
38.6
本当に熱あったんだ。
そう改めて確認させられると、具合が悪いような気もする
「何度だった?」
言うのがなんとなく嫌で、はい。と手渡せば、眉間にしわを寄せ、んー。と唸った
「平熱何度?」
「平熱……35度とか。」
「やっぱり低いよね。薬飲むにも何か食べないと意味無いし、今は寝て体力戻そうか」
「さっき寝た」
「もっと寝るのー」
「疲れるからいい」
「そこを頑張るのが大事!」
「…んー」
「無理そうなら少しご飯食べて薬飲む?」
「しない。」
「結〜、嫌なのは分かるけどさ、早く熱下げないと辛いでしょ?」
「辛くない」
「俺はやなの!寝てる時苦しそうだったし」
「……勘違いでしょ」
「もう、そんな事言ってー」
突然立ち上がると布団をめくって抱き上げられる
抱っこされるのって、無理矢理どこかに連れていかれる時か、外に出される時、後は犯される時くらいで、ろくな思い出がないので勝手に体が強ばる
「…大丈ー夫。」
あやすように背中をぽんぽんと撫でられた
その後、片手で布団を綺麗に直して、さっきとは違う向きに寝かせられた
「体の向き変えるだけでも少しは楽になるんだよー?」
そういいながら、優しく腰のあたりを撫でられた
熱が出ていることや、昨日のこともあって、ちょうど痛かったからさすってくれる手は気持ちよかった
足とお腹に湯たんぽを置かれ、布団をかけられる
「結は多分、体弱いんだよ。
だからずっと同じ体制でいるのが疲れちゃうのかもね」
寝てる時動かないし。と、付け足される
自分ではよく分からないけど、これなら少しは寝れると思った
ぽん、ぽん。とリズムよく叩かれる
「熱下がるといいね」
と、優しい声が聞こえてきた
関係のない俺の事なんて放っておけばいいのに本当に変な人
気づけば、また眠っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 427