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それからは、特に何かをするわけでもなく、ソファに小さく丸くなって座る結の様子を見ていた
たまに話しかけると反応はしてくれるものの、そこまで大きな反応もしない。
けど、席を立とうとする時だけは、必ず心配そうに見つめてきた
結自身は何も言っていないけど、何となく席を離れずらくて隣に座っていた
「…鈴は、怒ったりしないの」
突然そんなことを聞かれた
「なんで怒るの?」
「…寝てばっかりだし、俺、何もしてない」
今まで、寝ていたり、常に何かをしていないと怒られるような状況にいたのだろうか
だから、寝ている時もあんなに力が入ってるのかも知れない
寝たら怒られる。それが結の中で当たり前になっている事が悔しかった
「いいんだよ?熱があるならゆっくりしてなきゃ。熱がなくたって無理するのはダメだしね」
「やっぱり鈴って変。なんか、鈴の周りだけ時間がゆっくり動いてるみたい」
「なにそれー?」
目の前の真っ白な子が発する可愛い例えに思わず微笑んでしまう
「結は無理しすぎ」
「…そんな事ない」
「そんな事ある。それに、普通風邪引いてる子って言うのはねー、無理に起きたりしないんだよ?横になってるの」
「…疲れる」
「結って俺の中の歴代1位くらいで体弱いんだけど」
腹痛と頭痛。
同じ体制でいるのが辛い。
突然意識が途切れる。
日中は外で動けない。
動き出しの目眩。
他にも色々あると思うけど、会ってまもないのにもう既にこんなに心配要素がある
「そんなに弱くない」
「本当かー?」
「鈴が強すぎるんじゃないの」
「またそんな事言ってー。あ!そうだ。結、これ飲む?」
と、家から持ってきたミルクとココアを見せてみる
「…」
「お腹も温まると思うよ。今淹れるね」
「…お湯沸かすもの、無い」
「ちょ、生活感無さすぎー。部屋行ってとってくる!」
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