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気持ち side結
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side結
鈴は元気すぎる
ぱーっと走って外に出ていく姿を目で追いかけた
目で追ったからか、酔うような気持ち悪さに目を瞑った
ソファに頭を寄り掛かけ、息を吐く
「辛そうだね」
いつの間にか帰ってきた鈴にそう言われ、慌てて頭を起こした
「ぁ、…早い。」
「無理しなくていいよ。楽なようにしてて」
そう言うと、お湯を沸かしにキッチンへ歩いていった
そんな鈴を少し目で追う
今まで出会った人は、一緒にいると緊張したり、気持ち悪くなったり、それこそ、過呼吸を起こしてしまうこともあった
俺は大丈夫って思っても身体が言うことを聞いてくれない
もちろん人前でそんな素振りは見せないけどトイレとか、1人になれる場所で吐いたり呼吸を整えたりしていることもあった
けど、鈴は違った。
なんとなく、力を抜いていても大丈夫なような気がして、名前を教えたり、ご飯を食べたり、眠ったり。
今まで他人の前ではしないと避けてきたことが自然にできていた
それでいて、自分のペースを崩されない
神崎 鈴。
この人がどういう人なのか、初めて人を知りたいと思った。
とは言っても、他人への近づき方なんて知らない
過去を振り返っても、本気で人を想ったことも、想われたことも無かったように思える
別にそういうのがいけないなんて、少しも思わない
それが、人って生き物だと思うから。
結局は自分の為で、幸せになる為ならなんだってする
実際、その犠牲になる人はいなくならないのだと思う。
それに、こうして育ってしまえばセックス以外の稼ぎ方も分からない
今更、あれはやだ。これはやだ。なんて言うつもりは無いけれど、今は少し休みたい。
そして、それでも鈴を知りたいと思ってしまったのも事実だった
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