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気持ち
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「ミルクとココアどっちがいい?」
鈴の明るい声が聞こえる
この人は、どういう人なのだろう
「…どっちでもいい。」
どっちでもいいと言うか、どっちがどういう味でどういうものなのか分からない
「じゃあ、結は白いからミルクね」
理由はよく分からないけど、別にどちらでもいい
少し頷けば、“ちょっと待ってねー”と言われた
「はい。どーぞ」
目を瞑っていたので声をかけられるまで気づかなかった
その声で目を開け、目の前のコップを覗く
そこには湯気をだす白い飲み物があった
「ホットミルクだよ。初めて?」
「分からない」
「ま。飲んでみて?温まるよ」
少しだけ、口に含む
初めて飲んだ割には抵抗が少なく、自然に飲み込むことができた
「美味しい?」
「…うん」
しばらくの沈黙が流れる
先に口を開いたのは鈴だった。
「結は今まで熱を出した時どうしてたの?」
「…別に何も。」
「よく熱はだす?」
「分かんない。いちいち聞くな」
よく熱は出すというか、頭痛だったり目眩だったりが酷い
何となく、認めたら負けなような気がしてそう答えた
「…これからはさ、熱出たら連絡くれない?」
突然、真面目な声を出すから思わず鈴に目がいく
「これ言ったら失礼なのかもしれないけど、結はなんか生きずらそう。見ていて凄く心配になる。誰か、頼れる人はいる?」
―――こういう雰囲気、得意じゃない
何というか、本当に心配しているような、自分を探られているような。
「…知らねーよ」
ホットミルクを鈴に返し寝室に戻ろうとする
「結、少しお話しよう?」
そっと手を掴まれた
一瞬目が合ったけど、その場の雰囲気に耐えきれず、寝室に入り扉の前に座った
「…ほんと、やめて。……」
掠れた、小さな声が少し響いた。
正直、心のどこかでは、自分を本当に想ってくれる人を求めていたのかもしれない
けど、実際にそういう場面になると、苦しくて、怖くて、心の中を覗き込まれている様だった。
他人に見せるのには怖いほどの汚い記憶と体で俺はもう、こんなに汚れてしまったんだなって改めて突き付けられた
こうなるの覚悟で始めたのに、受け止めきれない自分が情けなくて悔しい
もういっそいなくなってしまいたい。
病院からは抗うつ剤っていうのを貰ったけどあれを飲むと少し落ち着くから、まだ大丈夫かもしれない。って結局体売っちゃって家に帰ってきてまた飲んで無理やり寝て起きたら酷い目眩と頭痛
それで、頭痛薬飲んでとかの繰り返しで全く薬もうまく使えていない
本当に自分は何をしているんだろう。
こんなことなら元いた場所に帰って暴力でも性行為でもされていた方がいいのかもしれない
食欲も、睡眠も取れなくなって出てきたけど、これじゃあの頃と少しも変わっていない
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