アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
約束
-
家の中に入れ、ソファに座らせる。
明るいところで見ると、隈も濃くなっているし顔色だって悪いのがよく分かる
「……何しようとしてたの?」
大体は察しはつくけれど。
「…何って」
「こんなにふらふらで、体調も悪くて。体だって小さいのに…お金が欲しかった?」
酷い言い方だと思ったけれど、こっちだって怒っていない訳ではない
「…そうだよ。だったら何」
挑発してくるような口調に、思わず眉間にしわがよる
「鈴が払ってくれる?20万」
そう言って微笑むと結は乱暴に上着を脱ぎ捨てた
「…鈴が思ってるほど、俺は綺麗じゃない。
体を使うのだって慣れた」
そんな事言ったって、結、凄く苦しそうな表情してる。
結の心の傷は俺が思っていたよりもはるかに大きくて、痛そうに見えた
「そんな事、慣れるなんて無理だよ。俺は強がりが聞きたい訳じゃない」
結の体を布団で包み、抱きしめた
「何もしない。お金が欲しいならあげる。でも、体を売るなんてそんな事しないで」
「そんなの…おかしい」
「約束して。もう、こういう事しないって」
「約束はできない」
「どうして?」
「…セックス以外に、俺稼げないし」
「普通に働くことが難しいほど体に負担が大きいって事だよね。セックスだっていい稼ぎ方だとは思わないよ」
「じゃあ…死ねって言うの」
「そんな事言ってない。ただ、結はそんな事しなくたって生きていけるはず」
「知らない…俺にはその方法がわかんない」
そう言うと布団をぎゅっと握りしめて俯いた
その瞳は、少しだけ潤んでいるような気がした
「俺と、一緒に暮らさない?」
「……え?」
「そしたら、お金だってそんなに掛からないでしょ?」
「なに、言ってんの」
「え?一緒に暮らそうって」
「…鈴が損しかしてない」
「そんな事ない」
「そんな事ある」
「ないよ」
「俺、本当に迷惑しか掛けないよ」
「そんな事もない」
「食べ物すぐ吐くし」
「食べられるようにしてあげる」
「夜寝ないし」
「それも大丈夫」
「昼間家から出ないよ」
「全然構わないよ」
「夜勝手に出ていくよ」
「それは、困るなぁ」
そう言って笑えば、結はなんでなんで。って辛そうな表情をする
「俺はこれ以上、結に無理しないで欲しい。だから、…一緒に暮らしたい」
「…」
「結が嫌だと思うこととか、辛い思いとかさせないから。ね、お願い」
「…本当、俺面倒臭いよ」
「そんな事ない。結は結なりに頑張ってるの分かるし」
「…邪魔になったら、いつでも言ってよ」
「ならないよ。一緒に、暮してくれる?」
戸惑いながらも、小さく頷いてくれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
44 / 427