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苦しさ
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自分の服を捲り、肋骨のあたりを見る。
そこにはあの人がつけた火傷の痕が残っていた
行為の後、何故か無性に腹が立ったらしく、沸かしてあったお湯をかけられた時のものだ。
多分1回なら傷も残らなかったと思うけど、何回もそういう事をしてくるから痕が残ってしまった
その時は、痛くて泣いてしまったような記憶がある
裸になった時、この痕は見られたくないので行為中は布団や服でこの部分だけは隠していることが多い
それ以外だって、拘束プレイが好きな人に付けられた手首や足首の痣だって治りきっていない
イく時に詰める息の音も、抱きしめられた感覚も、口内に入ってくる舌も、 精液も、全てが鮮明に思い出されて、あんな事を律儀に覚えている自分にもため息がでる
前は我慢していれば大丈夫なくらいだったのに、今はその時の事を思い出すだけで気持ち悪くなって吐き気がする
鈴と暮らし始めてからだと思う。
鈴の『優しい』に触れる度に今まで『どうでもいい』と思っていたことが『苦しい』に感じるようになってしまったのは
体も、記憶も、全部が汚い。
自分で選んできた事のはずなのに、凄く苦しくなる
この部屋の空気、それ自体が鈴の『優しい』だと思ったら鈴と俺の差を突きつけられているようで息さえも詰まってくる
苦しくて、こんな自分も嫌で、抱えていた膝に顔を埋めた
いつから俺はこんなに弱くなったのだろう
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