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病院
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鈴を見る。
もう帰るみたいで、何故かは分からないけどいなくならないでほしいと心のどこかで思った
「どうした?」
「……」
ここにいて。そう言いたい。
「もうどうしたのー?」
優しく抱きしめられて、そのまま頭を撫でられた
「……鈴」
「ん?なーに?」
「…い…いってらっしゃい」
「うん。行ってくるねー」
ここに居て、なんて言えるわけない。
鈴はいつもみたいにふわふわ笑って、いなくなってしまった
鈴と入れ替えで医者が入ってきた。
「やっぱり食欲ない?」
その言葉に俯きながら頷く
「じゃあ点滴するか。腕痣になっちゃって痛いでしょ」
そう言われて腕を見れば、点滴の刺さっている部分は紫っぽくなっていた
「でもごめんね。ここしか血管見えないんだよ」
「…痛くない」
「本当?…ちょっとだけ我慢してね」
そう言うと、刺さっていた針を抜かれ、新しい針が刺される
これくらい我慢できる。そう思ったのに針が刺された瞬間、反射的に腕を引いてしまった
医者は何も言わずに、その部分を撫でるともう1度針を刺した
今度は動かずにじっとしていた。
「よし、終わり。気持ち悪くなったりしたらナースコールで呼んでね」
その言葉に頷いた。
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