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日常
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まずは何から聞こう。と少し緊張する
でも、聞きたいことは何個か既に決まっていた
その中から一つ、聞いてみる
「じゃあ、1つめ!
日常生活で体辛くなるときとかある?例えば、日に当たるとか」
アルビノの結はその体質から、外に出ると気持ち悪くなってしまったり体温が上がりやすいとか何かないのだろうか
本の情報ではなく、結が感じていることを知りたい
そして、それからは守ってあげたい。
「…昼はあまり好きじゃない」
俯きながらも、このゲームのルールを破らずにちゃんと答えようとしてくれる
「どうして?」
「…なんか、くらってなるし…頭痛くなるし」
語尾に近づくにつれて小さくなる声。
あまり、言いたくないことなのだろう。
「強い光が苦手ってこと?」
こく。と戸惑いがちに頷く
「…頭に響くから」
「たしかに頭痛は俺も得意じゃないなぁ。ちゃんと覚えておくね」
「忘れていいけど」
「覚えておく!
じゃあ、次は結の番。何でも聞いて!」
「…鈴は、何の先生なの」
学校の事か。
言われてみれば、何の教科を教えているかまでかは言っていなかった
「俺はねー、化学。理科みたいな感じ!」
「…理科」
「面白いんだよ。結にも今度教えてあげるね!」
「俺、学校行ったことないから分かんないけど…鈴の授業は楽しそう」
そう言って、顔を俯かせた結は凄く儚く見えた
そっと頭を撫でれば、いつもの要領で緩く払われる
それでも、もう一度撫でてみれば受け入れてくれた。
「可愛い。ね、学校ごっこしようよ」
「しない」
「えー、しようよ。ほら、先生って呼んでみて!」
「よ、呼ばないから」
「お願い!聞きたくなってきた!」
「…知らないし」
「せ、ん、せ、い!ね!」
「一人でやって」
「ひとりでやるのは寂しすぎるでしょ!」
言いながら笑ってしまう。
「…鈴…質問…て」
「ん?」
小さな声で何かを言ったが、聞き取れなくて聞き返してしまう
「せ、…っ」
「せ?」
「せ、先生っ…俺に、質問して…っ」
…あー、もう、好き。
顔を赤くして目を逸らしながら必死にそう言われた。
多分もうこの学校の流れを終わりにするために言っただけなのだろうけど、この子は俺の大好きな子だし、可愛くて仕方がない
呼びなれない「先生」という言葉を口にしたことも、赤くなった顔も、握りしめた手も、全てが可愛く見えてしまう
「結、好きー」
「っ、好きとか…」
どうしたらいいか分からなくなったのか、髪の毛で顔を隠してしまった
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