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緊張と楽しみ
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「犯人はね、…この人!」
今か今かと待って、その人が写った瞬間に指を指す
「…その人怪しかった」
「ほんとに思ってた?」
「…思ってたし」
映画を見ながら、犯人はこの人だとか、この人は悪そうに見えるけど実は何も悪くないとか盛大にストーリーをすべて話してしまう
それでも結は俺の話に乗ってくれるし、一緒に映画を見てくれた
映画は結構長めの2時間半。
色々なキャラクターがいるし、謎解き系のものなので俺にとってこの2時間半はあっという間に過ぎる
結は途中何度か、飽きたように天井を見上げたり手を動かしたりしていたけれど、「ちゃんと観て!」って言ったら観てくれた
結は口数が少なくて声も小さいから素っ気なく見えがちだけど、実はすごく優しいってことに俺は気づいた
映画が終わるのと同時に勢い良く抱きつく
「ありがと!」
「…どうしたの」
「何でもないよ!」
何だか勝手に笑顔になってしまって、どうしよう。と少し恥ずかしくなっていると、結の少しひんやりした手が頬に触れた
「何がそんなに楽しいの…?」
少し首をかしげた結が、困ったように小さく笑っていた
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