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緊張と楽しみ
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想がリビングを出て、玄関に歩いていく
もしかしたら鈴では無いかもしれないし、そう思ったら不安で結にくっついて耐えた
「…どうしたの」
「何か、…誰が入ってくるのか分からないのって苦手なんだよね」
へへ。と笑って誤魔化す
昼間は比較的大丈夫だけど、日が落ちてからの訪問者はまだ怖かった
結が微かに目を見開く。
それから俯いて、少し顔色が悪くなった
触れてはいけない話題だったのだろうか。
ごめん。そう謝ろうとしたとき部屋の扉が開いた
「たーまきちゃん」
「…鈴だ!」
想の後ろに立っていた鈴がひらひらと手を振る
鈴だと分かれば怖くない。
けれど結は違うみたいだった。
先程悪くなってしまった顔色はまだ直らないし、ぎゅっ。と手を握りしめていた
結の、思い出したくない記憶の引き出しのようなものを開いてしまったのかもしれない
だとしたら、結は今すごく辛いはずで、それを開いてしまったのは俺なのだから謝っても済む問題じゃない
結を見つめている間にも、想と鈴が部屋に入ってくる
鈴が結の様子に気づいて、声をかけようとした瞬間。
突然立ち上がってどこかへ歩きだした。
「待て待て」
鈴が慌てて結を抱き上げ、膝の上に乗せると向かい合うような形で抱きしめた
「…っ、なせ」
鈴は大丈夫。と繰り返し膝から降りようとする結を宥めていた
不意に鈴と目が合うと、「見ないであげて」と困ったように笑って言われた
二人から目を逸らすと想がいて「環は大丈夫?」と聞かれる。
結の思い出したくない記憶の引き出しを開いてしまった罪悪感で目元が潤んだ
想に抱きつけば、ぽんぽんと優しく背中を叩いてくれた
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