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朝 side想
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side想
早朝、悪夢で魘されていた環を抱きしめ、「怖くない」と繰り返していると穏やかな寝息が聞こえてきて、俺ももう一度眠りについた
そして午前7時。
目が覚めるとベッドから環が居なくなっていた。
「…環?」
ベッドから降り、リビングに向う
またひとりで吐き気に苦しんでいるかもしれないとトイレへ向かおうとしてそこで環を見つける
リビングを出て直ぐの廊下の所にちょこん。と座りこんでいた
「どうした?」
驚かせないようにそっと近寄り、しゃがんで視線を合わせる
「…ぁ、想っ」
途端、抱きついてきてそれをちゃんと抱きしめた
「何かあったの?」
「知らない人が、入ってきて…ここで見張ってろ、って…っ」
え、不法侵入?
でもここの鍵は誰にも渡していないし、誰かが入ってくる可能性は低いと思う。
それに、家主に遭遇して「ここで見張ってろ」なんて普通言わないだろう
それよりは、環の昔の記憶と今の状況が混ざり合って幻覚や幻聴を引き起こしたと考えるほうが無難かもしれない。以前にもこんなことあったし。
とは言っても、本当にいたら危ないので一応確認しておく。
トイレ。洗面所。お風呂場。
「大丈夫。誰もいないよ」
「…ぇ、でも…さっき」
「どこに入っていったの?」
そう聞けば、小さくトイレを指す。
「ずっと見張ってたんだよね?」
こく。と頷く
トイレの扉を開け、環にも見せる
「大丈夫。いないよ」
「…あれ?」
指先を震わせながらきょろきょろとあたりを見渡す
「でもっ、入ってき……っう、ぁ」
突然口元を抑え、小さく屈んだ
トイレに誘導し、背中を撫でると出すものもないのに辛そうにえずいた
幻覚だったとはいえ、幻覚で現れた人にさえ苛ついてしてしまう。
本当に、環を怖がらせるようなことは誰にもしてほしくなかった。
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