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お気に入り side鈴
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side鈴
夜中、珍しく起こされた。
いつもは起こすどころか物音ひとつたてないくらいに静かなのに、今日は「起きて」と声をかけられた
結に起こされるのは全く嫌ではないし、むしろ何かあったときや眠れないときは起こしてほしい
「どうしたー?」
ベッドから体を起こし、結を撫でる
「…今、暇?」
暇か暇では無いかと聞かれれば完全に暇だ
けれど、寝ているところを起こされて「暇?」と聞かれたのは初めてで何だか不思議な感覚になる
「うん?暇だよー。でもどうした?」
「…薬なくなった」
「なんの薬?」
「…安定剤、みたいな」
「落ち着かない?」
安定剤が飲みたいということは、少し心が不安定なのだろう
「…鈴、薬作れる?」
「んー、安定剤…落ち着く効果がある飲み物なら作れるよ」
「…ほしい」
「うん。すぐ作るね」
ベッドから立ち上がり、やかんに水を入れて火をつけると一回結のところに戻った
「大丈夫だからね。痛いことも怖いことも起きないよ」
その小さな体を抱きしめて、落ち着かせるように声をかけ続けた
「そろそろ沸いたかなー」
ぽん。と頭を撫でてからキッチンにもどる
横目で結を確認すれば、さっきと変わらずじっと一点を見つめて動かない
大丈夫かな。
さっき抱きしめていたときに小さく震えていたこともあって心配になる
「…っ、」
よそ見をしていたせいでコップの場所を間違え、お湯が手にかかってしまった
突然の熱さにほぼ反射で手を離してしまい、思ったよりも大きな音で床に落下した
「…っー、あつ」
足にお湯がかかる。
そんなに多い量は沸かしていなかったから床もそんなに濡れなかったが、やかんを床に落としてしまったせいで結構大きな音が出てしまった
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