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少しだけ、じんじんと痛む足に触れようとして止まる
詰めるような、苦しそうな呼吸音が聞こえた
「結?」
顔を上げて、一瞬で足の痛みなんて忘れた
ぎゅうっと体を丸めて、手でお腹を抱えるように蹲っている。
呼吸音も正常な音ではないことに気づく
「手、力緩めようね」
右手は心臓、左手は脇。
両手とも指先が真っ白になるくらい強く掴まれている
脇を掴んでいる手は強く引っかきすぎたのか、シャツから少し血が滲み始める
確かそこには、火傷の跡があった
「ごめんね。」
抱きしめるように結を包むと、脇を強く抑えていた手を無理矢理離させた
「血、でてる」
「…っ、はぁっ、…っあ……」
「苦しいね。息、俺にあわせて?」
ゆっくり呼吸をすれば空を掻いた手が背中を引っ掻く
ビリッとした痛みと共に、結の呼吸音が余計に早まったのを感じた
「俺は大丈夫だから。焦らないで。ゆっくーり息吐いて」
「…っ、はぁっ……げほっ、ヒュッ…はぁっ」
本格的に息ができなくなってる。
近くにあった袋を口にあてて、背中を撫でた
「大丈夫。収まるからね」
とん、とん。とゆっくり背中を撫でて、息を吐くことを促す
「そう。上手…ゆっくりゆっくり」
「…っ、けほっ…いた、い」
絞り出すかのような、細い声
「どこ痛い?」
なるべく刺激しないようにそっと声をかけた
「…熱、いっ…」
多分、火傷の部分だろう。
結構酷かったし、こんなに残るまでされたということはかなりの痛みを伴ったと思う
「…痛いな。」
撫でていた手を止め、結を強く抱きしめた
こんなに傷ついて。
「…痛いね」
強く抱きしめたのが良かったのか、呼吸が少し落ち着いてくる
「力、抜いてていいよ」
口元から袋を取り、涙を拭ってあげる
呼吸が落ち着くと、その呼吸はどんどん小さくなっていく
気道を確保して、背中をテンポよく叩いた
「…落ち着いてきた?」
言葉の代わりに、小さく頷いてくれる
「…背中、……ごめん」
「あー、全然気にしないで!明日には治ってる」
「でも…」
「いいの。結が自分の体傷つけちゃうよりよっぽど良い」
「…何で、そんな…」
戸惑った表情のまま俯いて、膝に顔を埋めてしまった
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