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鈴がくれるもの
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「帰ろうね」
ぎゅ。と手を握られていつの間にか服の裾から手に移動していたのだと気づく
迷惑なら離してって言ってくれればよかったのに、鈴は何も言ってくれなかった
手を離せばふふ。って笑われた
どうして笑ったのか分からない
お店の外に出る。
もう外は涼しいより寒いに近かった
ついこの前まで暑いと思っていたのにもう寒い
「暗いね」
「涼しい」
「ね、気持ちー」
ピピッ。と車の音が聞こえる
俺はどこに車があるのか分からなかったけど、鈴は覚えていたらしい
…すごい。
何でこんな沢山の車の中から自分の車が何処にあるかわかるの
車に乗れば、行きの時とは違って、目をしっかり開いていても眩しくなかった
街の灯がきらきらと光って、遠くて見えないけれどあの灯りの下には人がいるのだと思うと何となく素敵だと思う
俺も今から鈴の家に帰ったら灯りをつける。
それを誰かが遠くから見たら鈴の家の灯りは夜景のひとつになる
なんだか、面白い。
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