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「6時」
「おっけー!じゃあ行こっか!」
6時になるまでの間、電車の乗り方とか動物園の動物園は触っちゃいけないとか色々教えてくれた
「目眩は大丈夫?」
「うん」
全くしないという訳ではないけれど、それはいつものことだ
この前、額を買いに店に行ったときに買ってくれた服を着て一緒に家を出た
薄着に見えるけれど実際は暖かくて気持ちい
「似合う!」
「…ほんと?」
「うん!
俺から離れちゃだめだよ!可愛くて拐われちゃう!」
「誰も拐わないでしょ」
「分からないよー?」
わからない?
本当に誘拐とかそういう事ってあるのだろうか
俺なんて拐ったって何もいいことなんてないと思うけれど、鈴から離されるのは嫌だ
「…離れなければ何もない…?」
「うん、俺が守ってあげるー!」
「…じゃあ鈴のそばにいる」
「かわいい。可愛いね」
「可愛くないから」
いきなりぎゅーぎゅー抱きついてきた鈴を押し返すと、今度は目の前に手が差し出され、見上げれば手を差し出した本人はにこにこ笑っている。
少し戸惑いながらも、差し出された目の前の手を小さく握り返した
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