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どうしよう。
隣に座っていた人の頭が肩の上に乗る
「寝ちゃってるねー」
「…寝てる?」
鈴も困ったように笑う
少しタバコの匂いのする人は全く起きる気配はせず、肩に掛かる体重は少しずつ重くなってくる
少しくらいなら我慢するけれど、ここまで体重を預けられると嫌なものがある
でも、鈴にくっつかれるのは嫌じゃないと思うのだから不思議だ
「結の肩を枕にするなんて100年早い!
てか俺が無理」
決め台詞のようにカッコつけて言った鈴はその人をトントンと起こすように叩く
起きはしなかったものの、その人の頭は肩から離れた
「…俺も立ってる」
「そう?」
椅子から立ち上がると揺れている電車のせいで立っているだけなのに何歩も動いてしまう
「吊り革届く?」
「…と、どく」
背伸びをしながら腕を伸ばせばなんとか届いた
けれど、背伸びをしているせいでさっきよりもふらつく
吊り革も掴みきれていなかった
「こっち来て」
電車の揺れなんてものともしない鈴は俺をドア付近の角に連れてきくれた
「ここなら安全!」
「…安全」
電車の中にも危険な場所と安全な場所があるらしい
そして俺は今安全な場所にいる
「次で降りるよー」
「…羊」
「他にもたくさんいるよ!
まずは近くのカフェ入って朝ご飯食べようね」
今は電車の中にいるというのに、色々な動物が脳内再生されていて、頭の中は動物のことでいっぱいだった
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