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「楽しみだなぁ」
「動物好きなの?」
あまりにも楽しそうな鈴に聞かずにはいられなかった
「好きだよ!
けど今回は結と来られたから余計嬉しい!」
「そういうの要らない」
「あ、照れたー」
「照れてない」
頬をつんつんされて、赤くなっていたのかもしれないと思うと恥ずかしくて両手で頬を隠した
「可愛い」
「可愛いも無いから」
言い返せば鈴はにこにこ笑って頭を撫でる
「あ、運んできてくれたよ」
顔を上げればお店の人が料理を運んできてくれていた
「ありがとうございます」
愛想良く笑顔でお礼を言う鈴を真似て、俺も頭を下げた
「ごゆっくりどうぞ」
そう言い残し店員さんが居なくなると、目の前には料理があった
「無理はしなくていいからね」
俺のテーブルの前には美味しそうな匂いのするフレンチトーストと果物、そして例のブラックコーヒーがあった
ブラックコーヒー以外は甘い匂いがするから、最初にコーヒーを飲んでから食べ始めよう
そうすれば苦いのも我慢できるかもしれない
「いただきまーす!」
「いただきます」
コーヒーを手に取る
小さく息を吐いてからコーヒーを口に含んだ
「…っんぅ」
「結?」
コーヒーはやっぱり苦くて変な声が漏れる
「こくん!こくんして!」
幼稚園児に向けるような言葉をかけられ、一瞬鈴を見るが、あまり余裕がなくて鈴の「こくんして」という言葉と共にコーヒーを飲みこんだ
「苦かったね」
ぽん。と頭に手を置かれ、見上げるとそのまま席を立って何処かに行ってしまう
「…りん」
追いかけようとして立ち上がる
あれ、どこ行ったのかな。
きょろきょろとあたりを見渡すが、視力が良くないから遠くに行かれてしまうとどこにいるのか分からなくなってしまう
「結」
「あ、鈴」
いつの間にか戻ってきた鈴。
内心ほっとした自分に驚いた。何で鈴が近くにいてくれることに俺は安心するの
「じゃーん!」
「何それ」
「砂糖!」
「これをコーヒーに入れると甘くなるよ」
さらさらと綺麗な砂糖をコーヒーの中に入れてくれる
「これで安心!」
「…うん」
席に座り直してコーヒーをもう一度飲む
「…甘くなってる」
「飲めそう?」
「うん」
甘くなったコーヒーを飲みながら、コーヒーって美味しい飲み物なんだと知った
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