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検証
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フレンチトーストを3口くらい食べて、色々な形に切られた果物を少し口に入れる
まだそれくらいしか食べていないのに手が止まってしまって、ちょびちょびとコーヒーを飲んでいた
「お腹いっぱい?」
さり気なくお腹に触れた鈴の手は温かい
「…まだ食べれる」
お店にまで来てこれしか食べないのは流石に申し訳ない
中々喉は通らなかったけれど少しずつ食べていった
「時間はあるからゆっくりでいいよ」
フレンチトーストはお皿の上に2枚乗っている
1枚目をやっとの思いで食べ終え、ふぅ。と息をついた
俺はこんなに少しずつしか食べられないし、無理矢理詰め込むみたいになってしまうから勘違いされてしまいそうだけど、このフレンチトーストは甘くてふわふわしていて凄く美味しいと思う
果物も美味しい。
でも、手は止まってしまう。
もう胃からは「要らない」と言われているようで食べるたびにお腹が重くなる
「これ、俺もらってもいい?」
タイミング良く鈴の声が聞こえてきて俺はすぐに頷いた
「あー!」
フレンチトーストを一口食べた鈴が何かを思い出したかのようにこっちを向く
「…どうしたの?」
「美味しい!」
たしかに美味しいけど。
その反応が面白くて笑ってしまう
「美味しいよね」
「美味しいー」
くすくすと笑いながら頷けば鈴はぱくぱくとフレンチトーストを食べてあっという間に無くなってしまった
「ごちそうさま!」
その後果物も一緒に食べてくれて、俺は食べやすいみかんばかりを食べていた
「完食ー!」
お皿の上は綺麗になり、全て食べられたということに嬉しくなる
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした」
外はもう完全に明るくて、自分に「倒れないでよ」と言い聞かせた
こういう時ばかりは自分が目眩や頭痛ばかりを起こす身体だということが嫌になる
「こっち向いて」
「ん?」
「はい!これつけててね」
「なに?」
「サングラス!」
目元に手をやれば確かに視界が少し暗くなって見やすくなっている
「あと、ここでルールを決めてから動物園に行こう!」
「…ルール?」
「そう。守らないといけないこと!」
「わかった」
「大きく分けて2つ」
指を2本立てて説明してくれた
「1つ目は具合が悪くなったり、疲れたらすぐに言うこと。これ大事!」
こく。と頷く
「守れる?」
多分、できる…と思う
「守れる」
「偉い!
そして2つ目。知らない人にはついていかない事」
言われなくたって、知らない人なんかについていったりしないのに。
「…ついていかない」
「もし何かあったら俺の名前呼んでね。すぐ行くから!」
「…わかった」
その2つのルールを守ると言えば何故か抱きつかれる
「よし!じゃあ動物園いこー!」
「いく」
席を立った鈴の後ろにくっついて歩きながら動物園でのルールを復習していた
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