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「何か買ってくー?」
「いらな…」
要らないと言いかけて止まる
ここでわがままを言わなかったらいつ言うんだ
「あれとあれとこれ」
レッサーパンダのぬいぐるみとまだ見ていないキリンのぬいぐるみ。そしてあと1つは1番近くにあったチーズケーキ。
「いいよー」
え?
いいの?
これは流石に「高い」とか「要らないでしょ」って言われるものじゃないの
「どの子にする?」
並べてあった動物を手に取り「よく見ると全部顔違う!」とかいって騒いでいる
「…鈴」
後ろから服の裾を控えめに掴む
「どうした?」
ぬいぐるみを棚に戻すと落ち着かせるように背中を撫でてくれた
「大丈夫?」
「要らない…全部いらない」
「んー、いいんだよ?」
「いいの」
「そう?」
「うん」
「でも俺欲しいからちょっと待ってて!」
まさかの返答に固まる
「ねー、こっちとこっちだったらどっちがいい?」
レッサーパンダのぬいぐるみを両手に持って尋ねられる
同じように見えるし、どちらも可愛いから問題はないと思う
「こっち」
でも、こっちの方が心なしか優しそうな顔をしている
「俺もそう思う!」
じゃあ聞かなければいいのに。
あのレッサーパンダを思い出しながら鈴の服の裾を掴んでぼーっとしていた
「疲れた?」
掴んでいた裾が離れ、目の前に鈴がしゃがんだ
「…別に」
いつの間にか買い物も終わったらしく手には紙袋が持たれていた
「1回横にしてあげたいけどそこまではできないからなー。とりあえず椅子に座ろっか」
椅子に座らされると体制が変わったからか目眩がして、揺れてしまう身体を支えられた
「具合はどう?悪い?」
「…目眩がしてる、だけ」
「キリンと羊みたら帰ろうか」
「もう…?」
「楽しみはとっておくものだよ!」
ふふ。と笑顔でそう教えてくれた
「…行く」
「大丈夫そう?」
「うん」
自分の経験上、こうやって目眩がするだけを過ぎると頭が痛くなって、その後気持ち悪くなるのを知っていた
だから体が変になってしまう前にキリンと羊を見たかった
「一応見てるけど、無理はしないでね」
「…うん」
よしよし。って頭を撫でられ、心なしか目眩が軽くなった気がした
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