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思い
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「……っ、けほっ…」
息が詰まって強制的に目が覚めるとまだホテルにいた。
時間は朝の5時。
結構長い間気絶していたらしい
「…ぁ、あー」
声が出るかを確認して、ひりひりと痛む喉にすぐ口を閉じた
少しして体を起こすと本当にシーツが赤く染まっていた。
それに加えてまだ中に入っている感覚に吐き気が増す
「あぁ、もう、……やだ」
情けない声が漏れてベッドに項垂れる
帰りたくない。誰にも会いたくない。
もう、疲れた。
俺はどれだけ汚れれば気が済むの。
柄にもなく気持ちが弱ってしまって、昨日のことを思い出しては涙が止まらなかった
これから、どうすればいいんだろう。
こんな誰とでも寝るようなやつが鈴のところにのこのこと帰っていいはずがない
「……っ、頭いたい…目、まわるっ…お腹も、…痛い…っ」
誰に届くわけでもない、ただの体調報告を嗚咽混じりにベッドに泣きながら訴えた
「……っ、う、ぐすっ…」
そうしてどのくらい泣いていただろう。
そろそろ干からびるかもしれない。
そう思い始めた頃部屋の電話がなった
受話器を取ろうとして、初めて手が震えていることに気づく
『そろそろチェックアウトのお時間です』
丁寧にそう伝えられ、後処理もできないまま目を腫らしてラブホテルを後にした
とりあえず人気のないところに行こうと、細い路地を通って子供もいない、遊具も少ない公園に出た
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