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思い
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病院につくと、すぐに名前が呼ばれて診察室に入った
鈴も一緒でもいいと病院の人は言ってくれたけれど断った
恥ずかしさで顔を腕で隠す
「痛くない?」
下を脱がされ、温かい濡れタオルで血のついたところを拭かれる
口開けて。とタオルを咥えさせられ、それを咥えると医者の手が裂けたそこに入ってきた
「っ、…ーーー!!」
「我慢ね」
中で医者の指が動いて、入っているものを出していく。
あまりの痛さに暴れる足を抑えられた
くちゅ。という汚い音が聞こえて耳を塞いで目を瞑る
「…っ、」
「一応掻き出したからね」
少ししてその人がそう言う。
診察を終え、医者に支えられながら鈴のところに向かった
「1週間は絶対安静です。痛みも酷いようなのでしばらく引かなければまた来てください。
お薬もあるので隣で受け取って行ってくださいね」
「ありがとうございました」
頭を下げた鈴に、俺もその真似をする
鈴は何も言わずに、ぽん。と頭に手をのせた
『───と、言う訳なのでこの薬は朝と夜に。
あと、安定剤も処方しておきます。あまり使わない方が良いんですけど、あまり意固地になることも無いですよ。辛かったら飲んでください』
「結、聞いてるの?」
鈴の声にハッと意識が戻る
「……うん」
「沢山あるんだから聞いとかないと分かんなくなっちゃうよ」
「…うん、ごめんなさい」
「これは何の薬?」
これ。と赤いパッケージに入った薬をさされる
「…そ、れは」
さっき説明していたような気もするけれど思い出せない
「聞く気あるの?」
「ご、め…なさい」
「まぁまぁ、こんなに一気に覚えるのも難しいですよ。お薬は理解してもらえるまでお話しますので。」
薬剤師がそう言うと鈴は「これだけもう一回説明いいですか?」と医者に聞いた
「もちろんです」
医者が難しい言葉を並べ始める。
頭がぐわんぐわんと揺れて目の前が見えなくなってきた
「…り、ん」
「分かってる。ちょっと我慢して」
スパッとそう言われ押し黙る
鈴の手が頭に触れて、「寄り掛かってていい」と言うように肩に頭を引き寄せられた
「…副作用で眠気の症状が出る可能性が高いので服用後は部屋でゆっくりさせてあげてください」
「眠気だけですか?頭痛とか吐き気は」
「人にもよりますけど基本は眠気ですね」
「分かりました。ありがとうございます」
席をたとうとする鈴。
聞く気あるの?と注意されたばかりなのに俺はまた話の半分以上を聞けていなかった
「…俺、わかんない」
「俺が覚えたからいい」
「…ごめん、なさい」
また鈴を怒らせてしまった。
もう、ただただ申し訳なくて謝罪の言葉しか出てこない
「んーーー」
「…鈴?」
突然唸りだした鈴を見上げる
「俺、すごく怒ってる。結がちゃんと反省して何がいけなかったのか分かるまで許してあげない」
『許してあげない』その響きにズキッと胸が痛んだ
「でも、一旦怒ってるの休憩。」
言葉の意図が読めなくて困惑する
「ちょっとごめん。一回触らせて」
そう言うと、背中やお腹、腰や首を突然色々触られる
「…な、に?」
「うん、わかった。」
そう言うと、ひょい。と抱っこされた
「痛い触り方してないよね」
「…痛くない」
「うん、よかった」
俺の反応を見てどこを触ったら痛いのか今の一瞬で理解したということなのだろうか
「お家帰ろうね」
怒ってるの休憩。とは言っていたけれど、本当にさっきまでの怒っている雰囲気はなくなっていつもの鈴になっていた
「結を復活させるのに時間かかっちゃったらごめんね」
薬を受け取ってそう言うと、「でも、絶対痛いのは治るからね」と背中をあやすように撫でられた
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